DockerとCoreOS、コンテナランタイムをCNCFに寄贈へ

DockerとCoreOSは2017年3月15日(米国時間)、それぞれのコンテナランタイムをCloud Native Computing Foundation(CNCF)へ寄贈するためのプロセスを進めていることを明らかにした。

» 2017年03月17日 08時01分 公開
[三木泉@IT]

 DockerとCoreOSは2017年3月15日(米国時間)、それぞれのコンテナランタイムをCloud Native Computing Foundation(CNCF)へ寄贈するためのプロセスを進めていることを明らかにした。

 CNCFが同日開催したTechnical Oversight Committee(TOC:技術監督委員会)のミーティングで、Dockerはcontainerd、CoreOSはrktをCNCFへ寄贈する提案を行った。TOCが承認すれば、これら2つのプロジェクトは、CNCFの傘下に入ることになる。Docker CTOのソロモン・ハイクス(Solomon Hykes)氏は、3月中に承認されることを期待しているという。

 ちなみに、TOCは9人のメンバーで構成されているが、その中にはハイクス氏と、CoreOSの開発者ジョナサン・ブーリ(Jonathan Boulle)氏がいる。

 CNCFはコンテナオーケストレーションのKubernetesをはじめ、モニタリングのPrometheus、分散トレーシングのOpenTracing、ログ収集のFluentd、サービスメッシュのLinkerd、RPCフレームワークのgRPC、DNSサービスディスカバリのCoreDNSをホストしている。2つの主要なコンテナランタイム実装が加われば、CNCFが実現を目指している、コンポーネント化されたクラウドネイティブアプリケーション環境の整備に向け、下位レイヤで大きく前進することになる。

 ハイクス氏は、同氏のブログポストで、次のように説明している。

 「2016年12月、Dockerは、コンテナのランタイム機能を独立したコンポーネントとして切り離し、「containerd」という別個のプロジェクトに組み込んだ。そして、今年(2017年)の早いうちに中立的なファウンデーションへ寄贈する予定だと発表した。今日、Cloud Native Computing Foundationのプロセスに従い、containerdがCNCFプロジェクトになるための提案をCNCFのTOCに行うことで、コミュニティへのコミットメントを実現するための大きな前進を果たした」

 CoreOSのCTOであるブランドン・フィリップス(Brandon Phillips)氏は、同氏のブログポストで、containerd、rkt双方の提案につき次のように書いている。

 「これらの提案は、gRPC、Kubernetes、Prometheus、その他多数の重要プロジェクトと並ぶ存在になることを目指した第一歩だ。 これらのプロジェクトをCNCFに寄贈することで、私たちは、コンテナのコミュニティが、中立的なコラボレーションの場で繁栄し続けることを保証できる」

 コンテナの実行はクラウドネイティブの重要な柱だ。rktはCNCFコミュニティの監督下で進化し続けられると信じている。約180人のコントリビューターが集結しているrktは、コンテナのセキュリティ、構成、相互運用性に関して必要不可欠な議論を喚起し、推進するのに役立っている。 今日では、コンテナセキュリティに特化した業界セグメントも成立している。また、CNCFなどの組織は、より多くの企業がクラウドネイティブインフラストラクチャを採用し、貢献し、その恩恵を受けるようにするための会話を促進するのに役立つ」

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