変数には、格納するデータの属性に応じて適切なデータ型を定義します。
PL/SQLのデータ型はSQLのデータ型と似ていますが、意味や格納できる最大サイズなどが異なります。ただし、前回の記事でも解説しましたが、Oracle Databaseがデータ型を暗黙的に変換してくれるため、表から取り出したデータをPL/SQLブロック内の変数に代入する時にデータ型の違いを意識する必要はほとんどありません。
変数の定義に使用される代表的なデータ型は以下の通りです。
属性 | データ型 | 役割 | 備考 |
---|---|---|---|
数値型 | NUMBER | 最大38桁の数値データを格納する | 小数点以下の位取りも行える。また値の範囲(最大サイズ)を指定しなかった場合は、最大38桁またはシステムがサポートしている最大値が適用される |
文字型 | CHAR | 固定長の文字データを格納する。「CHAR(n)」のnには格納できる最大サイズを指定する(最大値は32767バイト) | 最大サイズを指定しない場合、デフォルトは1バイト |
VARCHAR2 | 可変長の文字データを格納する。格納できる最大値は32767バイト | サイズ指定は省略できない | |
日付型 | DATE | 年、月、日、時、分、秒のデータを独自形式である7バイトの固定長で格納する | 紀元前4712年1月1日から西暦9999年12月31日までの日付を扱える |
ブール型 | BOOLEAN | 論理値であるTRUE、FALSE、NULLを扱うデータ型 | PL/SQL独自のデータ型のため、TRUEやFALSEをデータベース列に挿入したり、データベース列の値をBOOLEAN型の変数に格納することはできない |
上記の表にあるような、Oracle Databaseによって事前定義されているデータ型を「スカラー型」と呼びます。スカラー型で定義した変数は値を1つしか保持できません。
なお、スカラー型以外のデータ型には、値を複数保持できる「コンポジット型」、処理対象のデータを参照する「参照型」があります。これらについては次回以降で解説予定です。
今回は基本的な変数の定義方法を紹介しました。次回は、表から取り出したデータを格納する際に便利な変数の定義方法を解説します。
株式会社アシスト データベース技術本部所属。普段はOracle、PostgreSQL、JP1などの分野で研修講師を担当。また、書籍「SQL逆引き大全363の極意」(株式会社秀和システム)をはじめ、「これならわかるOracle超入門教室」(株式会社翔泳社)、「プロとしてのPL/SQL入門」(SBクリエイティブ株式会社)の共著も担当。
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