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» 2017年05月29日 05時00分 公開

データベース処理が「特定のタイミング」でのみ遅くなる(パフォーマンストラブル)SQL Serverトラブルシューティング(48)(2/2 ページ)

[内ヶ島暢之,ユニアデックス株式会社]
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解決方法

 原因はディスクI/Oにありました。一般的にI/Oの量を減らすには「インデックスを利用するように設計や設定を変える方法」や「I/Oが少なくて済むようなロジックにアプリケーションを変える方法」が用いられます。しかし、今回は前述した理由から、どちらも使えません。

 そこで今回は、「休日系システムの起動をいつもより少し早めて、対象となっているテーブルの全件検索をあらかじめ実行しておく」ことにしました。この対処によって、毎日定時に行われるバッチ処理は、遅いディスクからではなく「メモリ上で実行」されるようになります。ご存じの通り、ディスクI/Oの速度と比べると、メモリアクセスは圧倒的に高速です。これだけで処理遅延を解消できました。

 ちなみに今回の例では、平日系システムに切り替わった直後のみ「メモリ上に何もデータがない、初回実行状態」であるために、「全てのデータ読み込み処理が、遅いディスクからになっていた」ことがそもそもの原因でした。それ以外の平日は初回実行済みで、ある程度のデータがメモリ上に存在していることから、影響が少なかったようです。

 このような「バッチ処理タイミングのチューニング」は、結構よく使われます。例えば「実行時間を調整する」「前処理で課題をクリアしておく」といった方法があります(図2)。

photo 図2 今回行ったバッチ処理タイミングのチューニング内容

 また、今回の例では採用しませんでしたが、ディスクI/Oの量や速度が問題になるときには、ディスクサブシステムをフラッシュに置き換えることでも改善が可能です。もちろんディスクの更改にはそれなりのコストはかかりますが、今後、システム更改時にSSDを選べるならば、積極的にフラッシュ化を検討することをお勧めします。SQL Serverシステムのフラッシュ化の効果については、以前、日本マイクロソフトと共同検証した公開資料があるので、こちらも参考にしてみてください。

本トラブルシューティングの対応バージョン:SQL Server全バージョン

筆者紹介

内ヶ島 暢之(うちがしま のぶゆき)

ユニアデックス株式会社 NUL System Services Corporation所属。Microsoft MVP Data Platform(2011〜)。OracleやSQL Serverなど商用データベースの重大障害や大型案件の設計構築、プリセールス、社内外の教育、新技術評価を担当。2016年IoTビジネス開発の担当を経て、2016年現在は米国シリコンバレーにて駐在員として活動中。目標は生きて日本に帰ること。

椎名 武史(しいな たけし)

ユニアデックス株式会社所属。入社以来 SQL Serverの評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。SQL Serverのトラブル対応で社長賞の表彰を受けた経験も持つ。休日は学生時代の仲間と市民駅伝に参加し、銭湯で汗を流してから飲み会へと流れる。


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