Cisco Systemsは、2017年6月26日(米国時間)に開幕した同社のイベント「Cisco Live 2017」で、6月20日に発表したIntuitive Networkについて説明。ビジネスの舵を大きく切ろうとしていることを訴えた。
Cisco Systemsは、2017年6月26日(米国時間)に開幕した同社のイベント「Cisco Live 2017」で、「新しい時代に向けて新しいネットワークが必要」とし、6月20日に発表した「The Network. Intuitive.(本記事では「Intuitive Network」と呼ぶ)」について説明。同社はこれが社運を賭けた取り組みであることを強調している。
Intuitive Networkは2つの側面を持っている。まず、Merakiのように、グラフィカルなインタフェースを持つ管理コンソール「Cisco DNA Center」が提供され、ネットワークを抽象的に設計できる。そして、各ネットワーク機器の設定に落とし込むことなく構築が可能。IPアドレス設計なども不要になる。
ネットワーク機器の初期設定では、SD-WAN製品などのように、機器をネットワークに接続した後、DNA Centerで作成したポリシーに基づいて設定を遠隔的に送り込むことで、いわゆるゼロタッチプロビジョニングができる。
その後はネットワークをリアルタイムで常時自動制御する。NetFlowをはじめとする情報に基づき、ネットワークの自動的な最適化が図られる。
用途としては、セキュリティおよびアプリケーションパフォーマンス管理、複雑な大規模ネットワーク運用のシンプル化などがある。対象範囲はキャンパスネットワーク(有線スイッチ、無線LANアクセスポイント)、WAN、データセンター(Cisco ACIとの連携による)と、過去3〜4年以内に販売開始した新しいIOS-XEを搭載する全てのネットワーク製品が対象になる。
インパクトが大きいのは、「ネットワークエンジニアの仕事が変わる」とのメッセージを今回、強力に押し出している点だ。
Cisco CEOのチャック・ロビンス氏は、「2020年には、IoTデバイスが1時間に100万台のペースで増加する。こうしたネットワークを動かしていくのはあなたたちだ」と、基調講演会場のネットワーク技術者に語りかけた。
Ciscoは3年前のCisco Liveで、DevNetという活動を開始、ネットワークエンジニアがプログラミングを学べる様々な機会を設けてきた。Intuitive Networkの発表で、これがリアルな話になってくる。この新ソリューションでは、ネットワークの構築・運用作業は大幅に自動化され、場合によっては専門家ではなくともネットワークに触れられるようになる。一方、プロのネットワークエンジニアでも、コマンドラインを使う機会が減ることが予想されるからだ。代わりに、ネットワークエンジニアは様々なネットワークアプリケーションやツールを開発することが増えてくる、という。
Ciscoは、CCIE、CCNAなどの認定制度および教育プログラムも改訂、新しい時代のためのネットワークエンジニアを育てようとしている。
Intuitive Networkおよびネットワークエンジニアの仕事の変化については、別記事でお伝えする。
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