本連載は、「Oracle Database」で発生するトラブルをどう解決すればいいのか。データベースの運用管理において、より円滑に業務を進めるために必要なノウハウを紹介していきます。今回は「データベース起動時に出力されるアラートログの中身」を解説します。
本連載「Oracleサポート出張所」は、「Oracle Database」で発生するトラブルを「どんな方法で」「どのように」解決していくか。長年、筆者がOracle Databaseのサポート業務で培ってきた経験を基に、Oracle Databaseの運用管理をする上で「より円滑に、かつ成長を見据えて業務を推進していく」ために必要なノウハウを紹介していきます。
前回はOracleトラブル解決の基礎となる「ログファイル」の基本を解説しました。今回は具体的に、「データベース起動時に出力されるアラートログの内容」を解説します。
アラートログにはデータベースインスタンスのさまざまな情報が出力されます。具体的にどんな内容が出力されているのか、今回はOracle Database 12c(12.1.0.2)の起動時に出力される内容を例にします。
データベース起動時のアラートログ(例)は以下の通りです(図1〜図4)。
データベースは、「インスタンスの起動」→「データベースのマウント」→「データベースのオープン」の順に実行され、起動します。
データベースが起動された日時とともに、「Starting ORACLE instance」の後のカッコ内に起動時のモードが出力されます。起動モードは以下の通りです。
(2)で、インスタンスの起動時に「SGA(システムグローバル領域)に必要なメモリ領域を、OSからどのように割り当てたのか」に関する情報出力されます。
なお、SGAの割り当てに失敗した場合には、以下のようにログが出力されます。
Mon Oct 24 21:53:15 2016 PAGESIZE AVAILABLE_PAGES EXPECTED_PAGES ALLOCATED_PAGES ERROR(s) Mon Oct 24 21:53:15 2016 4K Configured 8 0 ORA-27125 Mon Oct 24 21:53:15 2016 2048K 6184 6561 2 ORA-27125
(3)から、「アーカイブログファイルの出力先」を確認できます。
もし、初期化パラメータ「LOG_ARCHIVE_DEST_1」が明示的に設定されていなかった場合には「Using LOG_ARCHIVE_DEST_1 parameter default value as USE_DB_RECOVERY_FILE_DEST」と出力され、アーカイブログファイルの出力先に初期化パラメータ「DB_RECOVERY_FILE_DEST」の「高速リカバリー領域」が使用されます。
(4)では、UNDO保持期間の自動チューニングが有効であることを示す「Autotune of undo retention is turned on.」が出力されています。
なお、自動でチューニングされたUNDO保持期間の値は、V$UNDOSTATの「TUNED_UNDORETENTION」列から確認できます。
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