Google Cloud Platform、「より低品質」なネットワークサービスの選択肢を提供「Network Service Tiers」

Googleは2017年08月23日(米国時間)、Google Cloud Platform(GCP)で、「Network Service Tiers」を発表した。現在全てのGCPユーザーが利用しているネットワークサービスよりも低品質なサービスの新たな提供により、ネットワークサービスを2つの「ティア(レベル)」に分割する。

» 2017年08月24日 08時00分 公開
[三木泉@IT]

 GoogleはGoogle Cloud Platform(GCP)で、高品質なネットワークサービスを他社に対する重要な差別化要素の1つとして訴えてきた。だが、このメッセージが十分に伝わっていないと考えているのだろう。同社は2017年08月23日(米国時間)、より低品質なネットワークサービスの選択肢を提供することを明らかにした。

 Googleが発表したのは「Network Service Tiers」。現在全てのGCPユーザーが利用しているネットワークサービスよりも低品質なサービスの新たな提供により、ネットワークサービスを2つの「ティア(レベル)」に分割する。

 これにより、現在のネットワークサービスは、「Premium Tier」、新たなサービスレベルは「Standard Tier」と呼ばれることになる。Network Service Tiersの説明ページでは、「GCPは主要パブリッククラウドで初めて、複数ティアのクラウドネットワークを提供する」と表現している。

 なお、Network Service Tiersは、現時点ではα版という位置付けで、今後の提供スケジュールは明らかになっていない。

 今後「Premium Tier」と呼ばれる現在のGCPにおけるネットワークサービスは、Googleが全世界に張り巡らせたファイバーネットワークと、100以上のPOPをフル活用している。GCPのデータセンターからのトラフィックは、Googleのプライベートネットワーク経由でユーザーに最も近いPOP(Point of Presence)に達し、ここから各地域のインターネット接続プロバイダーのネットワークを通り、ユーザーに届けられる。これにより、一般的なインターネットトラフィックの悪影響を最小限に抑えている。

 新たに提供開始のStandard Tierでは、GCPデータセンターからのトラフィックは、データセンター(より正確にはリージョン)で直接、インターネット接続プロバイダーに接続されるため、他のインターネットトラフィックの影響を受けやすい。

 また、Premiumではネットワーク接続の冗長性が確保されており、さらに全世界にまたがって負荷分散が利用できる点もStandardとの違いだという。Standardの場合、負荷分散はリージョン内に限定される。

品質を選ぶならPremium、コストを重視するならStandardと、ネットワークサービスを選べるようにしたとする

 GoogleがCodexisというネットワークパフォーマンスモニタリング製品企業に委託して行った計測結果によると、PremiumはStandardに比べ、HTTPのスループットが最大1.7倍に達したという。

 Network Service Tiersの料金体系は既に公開されている。ただし、このサービスが一般提供開始(GA)になるまでは適用されない。大まかにいえば、Premium Tierの料金は現在に比べ、北米では最大33%安くなるという。また、Standard Tierの料金は、他の主要パブリッククラウドのネットワーク料金よりも低いという。

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