VMwareは2017年09月12日(現地時間)、スペイン・バルセロナで開催したVMworld Europe 2017で、I「VMware HCX technologies」など、IBM Cloudをはじめとするクラウド事業者との関係を強化する複数の発表を行った。
VMwareは2017年09月12日(現地時間)、スペイン・バルセロナで開催したVMworld Europe 2017で、IBM Cloudをはじめとするクラウド事業者との関係を強化する複数の発表を行った。
VMwareが2017年8月末に実施したVMworld 2017では、「VMware Cloud on AWS」が目立ったが、同イベントでも他のクラウド事業者との関係強化を併せて語っていた。今回の発表は、これをさらに前進させる狙いがあるようだ。
新たな発表の1つは「VMware HCX technologies」。これはVMware vSphereを運用する企業データセンターおよびvSphereベースのクラウド事業者のデータセンター相互間で、ワークロードの容易なライブマイグレーションを実現するサービス。マルチクラウド運用管理を中心とした「VMware Cloud Services」のメニューの1つとなる。当初はIBM CloudとOVHのみを通じて提供する。
HCXはネットワーク仮想化のVMware NSXにデータ複製などを組み合わせたサービス。企業は、アプリケーションのIPアドレス構成を保持したまま、ダウンタイムなしにオンプレミスのデータセンターからクラウド事業者のデータセンター、さらにクラウド事業者のデータセンター間、オンプレミスのデータセンター間での移行ができるという。WAN最適化、暗号化、プライベートネットワークとパブリックネットワーク間の負荷分散など、SD-WAN的な機能もうたっている。また、「RPO/RTOが5分」というディザスタリカバリーサービスも含まれているようだ。
最大のポイントは、vSphereのバージョンの違いを気にする必要がないということにあるようだ。例えばvSphere 5.xのデータセンターから、最新バージョンを採用したIBMのクラウドへの移行も容易にできるとしている。
一方VMwareは、同社のVMware Cloud Providerプログラムで、同社の技術をフルに活用する事業者を対象とした「VMware Cloud Verified」認定を開始した。当初の認定事業者として、CenturyLink、富士通、IBM Cloud、OVH、Rackspaceを挙げている。
IBMとは、別の発表も行っている。IBM CloudはvSphereベースのサービス「IBM Cloud for VMware Solutions」を既に1400以上の顧客に提供しているというが、次の新たな取り組みを行うという。
関連して、IBMはDell EMCのインフラ製品を採用、一方でDell EMCは「IBM Cloud上のvCenter Serverを販売」という形で、IBM Cloud for VMware Solutionsを再販するという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.