Xilinxは、Amazon EC2 F1インスタンス向けに、ソフトウェア定義開発環境「SDAccel」を提供開始した。ハードウェア記述言語による開発に加え、専用のFPGAカーネルも構築できる。
Xilinxは2017年9月13日、Amazon Web Services(AWS)が提供する「Amazon EC2 F1インスタンス」向けに、ソフトウェア定義開発環境「SDAccel」を提供開始すると発表した。「Virtex UltraScale+」と呼ぶXilinxのFPGA(Field Programmable Gate Array)を、Amazon EC2 F1インスタンスで利用できる。データ分析やビデオ処理、機械学習などの計算集約型ワークロードなどの用途を想定する。
Amazon EC2 F1は、FPGAを利用可能なコンピューティングインスタンス。1インスタンス当たり、最大8個のFPGA(UltraScale+)が使える。各FPGAは、約250万個の論理素子と、約6800個のDSP(Digital Signal Processor)エンジンを備える。
Amazon EC2 F1インスタンスでは、「FPGA Developer AMI」と呼ぶCentOSが稼働するFPGA開発用AMI(Amazon Machine Image)とFPGA向けのHDK(ハードウェア開発キット)を利用でき、HDKにSDAccelが含まれる。Amazon EC2 F1では、完成したFPGA向けの設計をAmazon FPGA Image(AFI)として登録できる。AFIは、Amazon EC2 F1に展開して何度でも再利用が可能だ。
SDAccelは、従来のようなVHDLやVerilogといったハードウェア記述言語による開発に加え、Amazon EC2対応アプリケーション専用のFPGAカーネルも構築できる。後者の場合は、C言語やC++、OpenCLで記述したソフトウェアのアクセラレーションを自動化できる。これにより、Xilinxでは、FPGAに慣れていないソフトウェア開発者でもSDAccelを利用することでソフトウェアの処理性能を最大50倍高められるとしている。
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