本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、ドメインの所有者などをはじめとするドメイン情報を表示する「whois」コマンドです。
本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、ドメインの所有者などをはじめとするドメイン情報を表示する「whois」コマンドです。
「whois」コマンドは、インターネット上でのドメイン名やIPアドレスの所有者を検索し、ドメイン情報を表示するために用います。
CentOSやUbuntuには、デフォルトではwhoisコマンドがインストールされていません。「yum install whois」や「apt install whois」でインストール可能です。実行にはroot権限が必要です(連載第68回)。
whois [オプション] 対象ドメイン
※[ ]は省略可能な引数を示しています。
短いオプション | 長いオプション | 意味 |
---|---|---|
-h サーバ | --host サーバ | 使用するWHOISサーバ(whois.jpなど)を指定 ※2 |
-p ポート番号 | --port ポート番号 | 使用するポート番号(デフォルトは43) |
-H | 免責事項(legal disclaimers)を表示しない | |
--verbose | 問い合わせ内容を表示 | |
※1 RIPEなどWHOISサーバによっては検索用のオプションが使用可能(--helpで確認)
※2 WHOISサーバによっては提供可能なドメイン情報が限られている場合がある
地域 | WHOISサーバ |
---|---|
アジア、太平洋地域(APNIC) | whois.apnic.net |
日本(JPRS) | whois.jprs.jp |
北米(ARIN) | whois.arin.net |
欧州、中東、中央アジア(RIPE) | whois.ripe.net |
南米とカリブ海地域(LACNIC) | whois.lacnic.net |
アフリカ(AFRINIC) | whois.afrinic.net |
「whois ドメイン」でドメインの所有者やネームサーバ、登録日などのドメイン情報を表示します(画面1)。ドメインを指定する際、「www.」の部分は不要です。
whois 対象ドメイン
whois google.co.jp
(google.co.jpのドメイン情報を表示)(画面1)
whoisコマンドは、ドメインやIPアドレスなどの所有者を検索するためのプロトコルWHOISを使います。検索の際、応答するサーバをWHOISサーバと呼びます。
ドメインやIPアドレスは、IANA(Internet Assigned Numbers Authority、アイアナ)と、各地域のNIC(Network Information Center)が管理しており、NICはWHOISによる問い合わせに応じてドメイン情報を返します。
例えば日本のドメインは日本レジストリサービス(JPRS)が管理しており、WHOISの問い合わせはwhois.jprs.jpで受け付けています(Webサイトからも検索可能)。
whoisコマンドがどのWHOISサーバを使用しているか、「--verbose」オプションで確認できます(画面2)。画面2ではheadコマンドで冒頭部のみ表示しています。
whois --verbose 対象ドメイン
(問い合わせ先を表示してから結果を表示する)(画面2)
「whois IPアドレス」で、IPアドレスからドメイン情報を探し出して表示することも可能です(画面3)。
whois IPアドレス
(IPアドレスに相当するドメイン情報を表示する)
訂正 記事の掲載当初、以下の誤りがありました。お詫びして訂正いたします。主なWHOISサーバとして「日本(JPNIC) whois.jprs.jp、whois.jp」としておりましたが、正しくは「日本(JPRS) whois.jprs.jp」です。「日本のドメインは日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)が管理」とありましたが、正しくは「日本レジストリサービス(JPRS)が管理」です。上記記事は既に修正済みです。(2017/11/10)
西村 めぐみ(にしむら めぐみ)
PC-9801NからのDOSユーザー。PC-486DX時代にDOS版UNIX-like toolsを経てLinuxへ。1992年より生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『はじめてでもわかるSQLとデータ設計』『シェルの基本テクニック』など。2011年より、地方自治体の在宅就業支援事業にてPC基礎およびMicrosoft Office関連の教材作成およびeラーニング指導を担当。
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