Microsoftは2017年11月21日(米国時間)、Microsoft Azureのブログで、2018年にVMware vSphereのホスティングサービスを提供予定であることを明らかにした。同社はこの日、プレビュー版の利用受け付けを開始した。VMware Cloud on AWSやIBMのVMwareプライベートクラウドサービスと比較したくなるが、これらとは大きく異なるようだ。
Microsoftは2017年11月21日(米国時間)、Microsoft Azureのブログで、2018年にVMware vSphereのホスティングサービスを提供予定であることを明らかにした。これは、「Transforming your VMware environment with Microsoft Azure(Azureによる御社のVMware環境の変革)」と題された、vSphereのAzureへの新移行ツールを説明するブログポストの後半部分に、1段落で説明しているのみ。「MicrosoftとしてはVMwareを将来への選択肢として認めたわけではない」と強調するためなのだろうが、興味深い動きであることは確かだ。
このサービスは、「他のAzureサービスと同居するAzureハードウェア上で、フルにVMwareスタックを動かすベアメタルソリューション」だという。また、このサービスは「(複数の)主要なVMware認定パートナーとの提携に基づき提供する」という。
すなわち、Microsoftの物理サーバ上にvSphereを導入し、ユーザー組織が利用できるサービスであり、マルチテナントのパブリッククラウドではなく、プライベートクラウドサービスを意味している。
このブログポストが他に述べていることは、「一般提供は来年(すなわち2018年)」「プレビューに参加したい組織は、Microsoftの営業担当者に連絡して欲しい」ということのみ。このサービスには名称もついていない。
情報はかなり少ないが、高い確度で想定できる他の点は次の通り。
例えばVMware Cloud on AWSは、VMwareがサービス提供者としての責任を負う(背後でAmazon Web Servicesと連携している)。一方、今回Microsoftが発表した新サービスは、同社が提供者としての責任を負わないのであれば、一般的なデータセンターにおけるコロケーションと大きな違いはない。
Microsoftは念を押すように、このサービスがあくまでもAzureへの全面的な移行を助ける選択肢の1つだと、次のように強調している。
「ほとんどのワークロードは(移行)サービスを使って容易にAzureへ移行できる。しかし、特定のVMwareワークロードについては、当初クラウドへ移行するのがより困難であることもある」「パブリッククラウドにおけるVMwareスタックのホスティングは、クラウドネイティブサービスに匹敵するコスト削減や俊敏性を提供しない。ただし、この選択肢は、Azureへの道において柔軟性を向上できる」
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