ビジネスの主戦場がモノからコトへとシフトしている。こうした競争原理の大転換期を迎えて、あなた個人はどうすべきか? これが本連載で皆さんと模索したいテーマである。
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数年前から「デジタルトランスフォーメーション」という言葉が各種メディアで喧伝されています。「モノからコトヘ」といった言葉もよく聞かれるようになりました。
これらはUberなど新興企業の取り組みや、AI、X-Techなどの話が紹介されるとき、半ば枕詞のように使われており、非常によく目にします。しかし使われ過ぎているために、具体的に何を意味するのか、何をすることなのか、かえって分かりにくくなっているのではないでしょうか。
その中身をひも解きながら、今の時代にどう対応して、どう生き残っていけばよいのか、「企業・組織」はもちろん「個人」の観点でも考えてみようというのが本連載の企画意図です。
著者は「モノからコトへ」の「コト」――すなわち「サービス」という概念に深い知見・経験を持つServiceNowの久納信之氏と鉾木敦司氏。この二人がざっくばらんに、しかし論理的かつ分かりやすく、「今」を生きる術について語っていきます。ぜひ肩の力を抜いてお楽しみ下さい。
ビジネスの主戦場がモノからコトへとシフトしている。こうした競争原理の大転換期を迎えて、あなた個人はどうするべきか? これが本連載で皆さんと模索したいテーマである。
消費者が商品やサービスを選ぶとき、そのモノ(製品や商品)の品質だけで決着が付く時代は終わり、コト(商品に伴う体験や周辺の実現サービス)の品質を見定める時代にシフトしてきた。例えば、店頭と同じ商品(モノ)を私たちはAmazonで買うようになった。それも喜んで買っている。なぜなら、Amazonが提供しているサービス(コト)が気に入っているからだ。
海外からディスラプター(創造的破壊者)やスタートアップと呼ばれる企業が現れている。彼らもコトを通して顧客を虜にしていく。出現するやいなや、業界にイノベーションを起こして、既存ビジネスの競争や均衡の構図を根底から覆し、既存企業や業界そのものを破壊するほどの勢いがある。
こうした「競争原理の大転換期」を迎え、消費者の価値観が変われば、企業の価値観も変わる。当然企業が従業員に求める価値観も変わる。つまり、企業のITに関わる皆さんも、価値観や発想、仕事のアプローチを変える必要が出てくる。
ただしこれは、新たなリーダーシップを発揮するチャンスでもある。なぜなら、創造的破壊はITを武器にしているからだ。ITが企業間競争を勝ち抜く武器になるなら個人が生き抜く武器にもなるはずだ。
ではサービスを売りにする時代のIT人材像とはどのようなものか? これを一緒に考えてみよう。
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