さくらインターネットは2018年1月16日、LTE閉域網を通じてさくらのクラウドに直接接続できるSIMサービス、「さくらのセキュアモバイルコネクト」を、2018年2月に提供すると発表した。料金体系は大きく異なるが、ソラコムの「SORACOM Air」+「SORACOM Canal」に似たデータ通信サービスだ。
さくらインターネットは2018年1月16日、LTE閉域網を通じてさくらのクラウドに直接接続できるSIMサービス、「さくらのセキュアモバイルコネクト」を、2018年2月に提供すると発表した。料金体系は大きく異なるが、ソラコムの「SORACOM Air」+「SORACOM Canal」に似たデータ通信サービスだ。
さくらのセキュアモバイルコネクトは、同社独自のSIMを使う。
同社ラベルのSIMカード(標準/micro/nanoに対応)、あるいはチップ型のSIM(MFF2規格準拠)によって、IoT端末をLTEに接続。各モバイル端末の通信は、さくらのクラウドにおけるユーザー組織単位のクラウドスイッチで終端される。つまり、デフォルトで、さくらのクラウドにおけるユーザー組織の仮想ネットワークセグメントとの通信ができることになる。このため、新サービスをSORACOMのサービスと比較するのであれば、SORACOM Air+SORACOM Canalと比べるのが適切だと、さくらインターネットの担当者は説明する。
さくらのクラウドがモバイル通信事業者と専用線で接続されることで、セキュリティが保たれる。なお、チップ型SIMは、2018年3月末に発売の予定で、500個から注文できる。
新サービスは、速度制限のない(もちろん、モバイルネットワークの限界はある)双方向通信が大きな特徴。さくらの紹介ページでは、監視カメラ、ドライブレコーダー、自動販売機を利用シーンとして挙げている。
料金は、1 SIM当たりの月額基本料金(データ通信がゼロでも発生する料金)が12円(税込み、以下同)で、データ通信料金は、時間帯や通信速度、上り/下りに関係なく1MB当たり6円。他に、月額費用として1アカウント当たり6480円のネットワーク利用料(スイッチ利用料2160円+モバイルゲートウェイ料4320円)がかかる。初期費用はSIMの購入代金のみで、SIMカードとチップ型のどちらを選んだ場合でも、1枚当たり2160円。なお、ネットワーク利用料に含まれるモバイルゲートウェイ料には、500MBの通信費が含まれているという。
上記の料金をSORACOM Air+Canalと比べるとどうなるか。料金体系が大きく異なるので、比較はしにくいが、おおむね次のようになる。
SORACOM Airは、日額基本料金が1 SIM当たり税別で10円あるいは15円かかる(利用期間コミットがない場合)。つまり税込みの月額では324円あるいは486円となり、さくらのセキュアモバイルコネクトにおける12円を上回る。また、SORACOM Canalの利用には1時間60円(税別)が掛かる。すなわち1カ月の税込み料金は4万6656円に達する。だが、さくらのセキュアモバイルコネクトで発生する1アカウント当たりのネットワーク利用料6480円が不要。これらを考慮すれば、データ通信料金を除いた「維持費」は、1アカウント当たり月額4万176円、さらに1 SIM当たり312円あるいは474円分、さくらのセキュアモバイルコネクトが有利となる。
データ通信料金は逆に、さくらのセキュアモバイルコネクトの方が大幅に高い。SORACOM Airは、時間帯、通信速度、上り/下りによって別の料金が設定されている。それでも、最も高額な通常時間帯の2Mbps上りで、1MB当たり1円。これに対してさくらのセキュアモバイルコネクトは一律で1MB当たり6円だ。
なお、初期費用は、さくらのセキュアモバイルコネクトの2160円に対し、SORACOM Air+Canalは税込み換算で2089円(CanalのVPG セットアップ料金1回分含む)となっている。
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