「Microsoft SQL Server」が稼働するデータベースシステムを運用する管理者に向け、「トレースフラグ」の活用を軸にしたトラブル対策のためのノウハウを紹介していきます。今回は「トレースフラグ715の詳細と使い方」を解説します。
本連載では、「Microsoft SQL Server(以下、SQL Server)」で発生するトラブル対策を踏まえた「SQL Serverのトレースフラグ」の使いこなしTipsを紹介していきます。
今回は「トレースフラグ715」の詳細と使い方を解説します。
トレースフラグ715は、BULK INSERT時に該当セッションがテーブルロックを確保して動作するように変える設定です(関連記事)。SQL Serverの全てのバージョンに対応します。
このとき確保するロックの種類は「BU(Bulk Update)」です。BUロックは他のBUロックを持っているセッションとは同時にデータロードができます。しかし、BULK INSERT以外を行うセッションのテーブルアクセスをブロックします。
トレースフラグ715をグローバルで有効にすると、BUロックの獲得が既定動作に変わります。例えば夜間のバッチ処理などでデータを一括ロードしたいが、業務上のデータ整合性を保つためにBULK INSERT中はデータ操作させたくない時などに利用します。
設定方法 | 可/不可 | 要/不要 |
---|---|---|
スタートアップ | ○ | − |
グローバルスコープ | ○ | − |
セッションスコープ | ○ | − |
クエリスコープ | × | − |
トレースフラグ 3604/3605 | − | 不要 |
トレースフラグ715の動作を確認しました(図2)。BULK INSERT中にテーブルロック(BUロック)を取っている状況が見えます。
ユニアデックス株式会社 NUL System Services Corporation所属。Microsoft MVP for Data Platform(2011〜)。OracleやSQL Serverなど商用データベースの重大障害や大型案件の設計構築、プリセールス、社内外の教育、新技術評価を担当。2016年IoTビジネス開発の担当を経て、現在は米国シリコンバレーにて駐在員として活動中。目標は生きて日本に帰ること。
ユニアデックス株式会社所属。Microsoft MVP for Data Platform(2017〜)。入社以来 SQL Serverの評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。SQL Serverのトラブル対応で社長賞の表彰を受けた経験も持つ。休日は学生時代の仲間と市民駅伝に参加し、銭湯で汗を流してから飲み会へと流れる。
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