SpringコードをGoogle Cloud Platformで簡単に実行できる――Google、「Spring Cloud GCP」プロジェクトを発表高機能のアプリケーションを数分で作成可能に

GoogleとPivotalは、SpringアプリケーションをGoogle Cloud Platformで簡単に実行できるようにする「Spring Cloud GCP」プロジェクトに乗り出している。

» 2018年02月09日 11時00分 公開
[@IT]

 Googleは2018年2月7日(米国時間)、Pivotalと共同で取り組む「Spring Cloud GCP」プロジェクトを発表した。広く普及しているオープンソースのJavaアプリケーションフレームワーク群「Spring Framework」とGoogleのパブリッククラウド「Google Cloud Platform(GCP)」を緊密に統合し、SpringコードをGCPでできるだけ簡単に実行できることを目指している。

 Spring Cloud GCPは、「Spring Boot」フレームワークのサポートに重点を置くことで、「ボイラープレートコード(Java言語仕様の制約による冗長なコード)」を大幅に削減し、Springのイディオムに従ってGCPサービスを利用できる。大抵の場合、Springコードを変更することなく、GCPサービスの利用が可能だという。

 Spring Bootは、本番グレードのSpringベースによるスタンドアロンアプリケーションの開発を容易にするフレームワーク。フル構成のJavaオブジェクトをアプリケーションに提供し、高機能のアプリケーションを数分で作成できる。

 Spring Cloud GCPの一環として、一般的なSpringライブラリとGCPサービスが以下のように統合されている。

Google Cloud Platform Spring Framework 説明
Cloud SQL Spring JDBC(Java Database Connectivity) Cloud SQLがJDBC URLやドライバのクラス名を自動的に構成し、クライアントの証明書を使って安全なSSL接続の確立を支援する。
Cloud Pub/Sub Spring Integration チャネルやゲートウェイなど、Spring Integrationの考え方を利用して、Cloud Pub/Subからのメッセージを送受信する
Cloud Storage Spring Resource Spring Resourceオブジェクトを使って、Cloud Storageバケットに対するファイルのアクセス、保存を行う
Stackdriver Trace Spring Cloud Sleuth Spring Cloud Sleuthとそのアノテーションを使ってマイクロサービスを追跡し、追跡データを保存と分析のためにStackdriver Traceに送信する
Runtime Configuration API Spring Cloud Config 独自の構成サーバを実行することなく、マネージドサービスであるRuntime Configurationに対する構成値の保存、アクセスを行う

 これらの統合機能は、Spring Cloud GCPの「Milestone 2」から、最新の「Spring Framework 5」および「Spring Boot 2」と互換性がある。

 現在、Spring Cloud GCPのライブラリはβ段階にあり、Pivotalの「Maven Repository」から入手できる。

 GoogleとPivotalは、この他にもGCPとSpringの統合機能の開発を行っており、近いうちに正式リリースするとしている。

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