NTTドコモとエアロセンスは、福岡県の玄界島周辺で、垂直離着陸機(VTOL)型ドローンとLTE通信デバイスを用いたリアルタイム映像伝送の実験を実施。遠隔での映像監視による被災状況の把握や人命救助など、防災インフラ用途などを見込む。
NTTドコモとエアロセンスは2018年3月14日、福岡市の協力のもと、垂直離着陸機(VTOL)型ドローンとLTE通信デバイスを用いた遠隔でのリアルタイム映像伝送実験に成功したと発表した。
今回の実証実験では、エアロセンスが開発したVTOLに、NTTドコモのドローン用小型・軽量のLTE通信デバイスと映像電装用カメラを搭載。福岡市の九州本島と玄界島間の海上飛行経路(総飛行距離約7キロ)を平均時速約90キロで飛行し、VTOLの飛行状況と玄界島の映像をLTEネットワーク経由でリアルタイムに伝送する技術を検証した。
VTOLは、固定翼を持つ垂直離着陸型のドローンで、長距離かつ高速飛行が可能。現在広く利用されているマルチコプター型のドローンでは到達が難しい10キロ以上の遠方にも飛行でき、約3倍早く目的地へ到達できるという。
今回、LTE通信機能とカメラの搭載により、遠隔での映像による状況把握や監視が可能なことを確認したことで、災害発生時の被災状況の把握や人命救助を広域かつ迅速に行える防災インフラとしての実用性が見込める。
今後は、測量や農水産といった災害以外の分野に関しても、VTOLとLTE通信デバイスを活用したサービスの提供を検討していく計画だ。また、NTTドコモは、VTOLの複数機体による自動飛行などを目指すとともに、ドローンを活用したビジネスを支援する「ドローンプラットフォーム docomo sky」への機能搭載も検討するとしている。
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