本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、ext2、ext3、ext4ファイルシステムの詳細情報を表示する「dumpe2fs」コマンドです。
本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、ext2、ext3、ext4ファイルシステムの詳細情報を表示する「dumpe2fs」コマンドです。
「dumpe2fs」は、ext2、ext3、ext4ファイルシステムの詳細情報を表示するコマンドです ※1。
※1 ファイルの管理方式自体や管理方式にのっとってフォーマットした記憶領域のことを「ファイルシステム」と言う。ext2、ext3、ext4ファイルシステムのいずれも、データを格納するデータ領域と、データ領域を管理するための管理領域を備える。管理領域にはファイルを管理するための「inode」と、inodeの個数やどのinodeが使用されているかといった情報を記録した「スーパーブロック」が配置されている。
dumpe2fs [オプション] デバイス名
※[ ]は省略可能な引数を示しています。-iオプション指定時はデバイスではなくファイル名を指定します。
短いオプション | 意味 |
---|---|
-h | スーパーブロックの情報だけを表示する |
-b | 不良ブロックとして扱っているブロックを表示する |
-f | dumpe2fsが対応していない属性フラグを持つファイルシステムの情報も強制的に表示する |
-x | グループ情報のブロック数を16進数で表示する |
-i ファイル名 | e2imageで作成したイメージファイルのデータを表示する ※2 |
※2 e2imageコマンドは、ext2、ext3、ext4ファイルシステムのメタデータ(管理領域)をファイルに保存するコマンド。
「dumpe2fs デバイス名」で指定したデバイス上のファイルシステムの詳細情報を表示します(画面1)。実行にはroot権限が必要です(連載第68回)。
スーパーブロックの情報だけを表示する場合は「-h」オプションを使います(画面2)。
なお、dumpe2fsコマンドが表示できるのはext2、ext3、ext4ファイルシステムに限られます。それ以外のファイルシステムの場合、「Couldn't find valid filesystem superblock」というメッセージを表示します(画面3)
dumpe2fs デバイス名
(デバイスの詳細情報を表示する)
dumpe2fs /dev/sdb1
(/dev/sdb1の詳細情報を表示する)(画面1)
dumpe2fs -h /dev/sdb1
(/dev/sdb1のスーパーブロックの情報を表示する)(画面2)
「-b」オプションで、不良ブロックの情報だけを表示します。不良ブロックがない場合はdumpe2fsのバージョンだけを表示します。
画面4では、「dumpe2fs -b /dev/sdb1」を実行したところエラーを表示したため、fsckコマンド(第191回)で修復し、あらためて「dumpe2fs -b /dev/sdb1」を実行しました。
dumpe2fs -b デバイス名
(デバイスにある不良ブロックの情報だけを表示する)
dumpe2fs -b /dev/sdb1
(/dev/sdb1の不良ブロックの情報だけを表示する)(画面4)
西村 めぐみ(にしむら めぐみ)
PC-9801NからのDOSユーザー。PC-486DX時代にDOS版UNIX-like toolsを経てLinuxへ。1992年より生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『Accessではじめるデータベース超入門[改訂2版]』『macOSコマンド入門』など。2011年より、地方自治体の在宅就業支援事業にてPC基礎およびMicrosoft Office関連の教材作成およびeラーニング指導を担当。
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