NECが、日本、グアム、オーストラリアを結ぶ総延長距離約9500キロの大容量光海底ケーブル「JGA」の建設を開始。最大設計伝送容量は36Tbpsで、日本とオーストラリア、米国とアジア間の通信需要の増加への対応、ネットワークの冗長性確保などを目指す。
NECは2018年4月4日、日本、グアム、オーストラリアを結ぶ大容量光海底ケーブル「JGA(the Japan-Guam-Australia Cable System)」の建設を開始すると発表した。2019年末の完成を予定している。
JGAは、最新の光波長多重伝送方式を採用した総延長距離約9500キロの光海底ケーブルで、最大設計伝送容量は36Tbps。日本とオーストラリア、米国とアジア間の通信需要の増加への対応、ネットワークの冗長性確保、高信頼な通信を実現するために敷設される。
現在稼働中の東南アジアと米国を結ぶ大容量光海底ケーブル「SEA-US(Southeast Asia-United States Cable System)」、2019年末に稼働開始予定の香港とグアムを結ぶ大容量光海底ケーブル「HK-G(Hong Kong-Guam Cable System)」とグアムで接続される計画だ。
JGAは、米Google、シンガポールの海底ケーブル業者RTI Connectivity、オーストラリアの通信サービス事業社AARNetが参加するコンソーシアムが企画・推進したもの。
Googleは2018年1月に、海底ケーブル増設によるグローバルインフラストラクチャ拡張のため、アジアの主要な海底通信ハブを結ぶ海底ケーブルとなるHK-Gなど、計3本の海底ケーブルの運用を2019年に開始する計画を発表。今回、さらなる拡充として、JGAへの投資を発表している。
JGAの開発には、NECの他、Google、フランスの海底ケーブル業者Alcatel Submarine Networksなどが参与。ケーブルの製造は、深海8000メートルの水圧に耐えられる光海底ケーブルを製造可能なNECの子会社OCCが担当する。
また、NECによると、JGAの建設・運用には、海外通信・放送・郵便事業支援機構(JICT)の開発支援金や、NECキャピタルソリューションを含む日本企業からのシンジケートローンが活用されているという。
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