Intelは、セキュリティ脅威の検知を支援するシリコンレベルの機能セット「Intel Threat Detection Technology」と、Intelプロセッサに組み込まれるセキュリティの機能セット「Intel Security Essentials」を発表した。
Intelは2018年4月16日(米国時間)、新タイプのセキュリティ脅威の検知を支援するシリコンレベルの機能セット「Intel Threat Detection Technology(Intel TDT)」と、Intelプロセッサに組み込まれるセキュリティの機能セット「Intel Security Essentials」を発表した。
また、サイバーセキュリティ人材の育成と供給の促進を目指し、米国インディアナ州にあるパデュー大学との提携強化も明らかにした。
Intel TDTは、シリコンレベルの遠隔操作技術を利用して、パートナー企業による高度なサイバー脅威やエクスプロイトの検知を支援する。Intelによると、Intel TDTで最初に提供される「Accelerated Memory Scanning」と「Intel Advanced Platform Telemetry」という2つの機能をMicrosoftとCisco Systemsが実装する計画だ。
従来のスキャン技術はシステムメモリベースのサイバー攻撃を検知できるが、「CPU性能を損なう」という問題があった。Accelerated Memory Scanningでは、スキャニングをIntelの統合グラフィックスプロセッサが効果的に行い、性能と電力消費への影響を抑えている。Intelのテストシステムの初期ベンチマークでは、この機能により、CPU使用率が従来の20%から2%に低下したという。
Microsoftは、「Microsoft Windows Defender Advanced Threat Protection(ATP)」のウイルス対策機能にAccelerated Memory Scanningを統合する予定だ。
一方、Intel Advanced Platform Telemetryは、遠隔操作技術と機械学習アルゴリズムを組み合わせ、高度な脅威の検知機能を高めるとともに、誤検知を減らし、性能への影響を最小限に抑えている。
Cisco Systemsは、データセンターセキュリティおよびクラウドワークロード保護プラットフォーム「Cisco Tetration」でIntel Advanced Platform Telemetryを採用する。
Intel Security Essentialsは、「Intel Core」「Intel Xeon」「Intel Atom」プロセッサにおいて、信頼の根幹を支える一貫したハードウェアセキュリティ機能セットを提供する。これらの機能には、ハードウェア保護(データ、鍵などのデジタル資産を守る)、暗号化アクセラレーション、実行時のアプリケーションを保護する機能などがある。
Intelは、Intel Security Essentialsについて、「顧客がハードウェアベースの保護に基づくソリューション開発を進める中、これらの標準的な機能セットは、トラステッドコンピューティングを促進する。さらに、Intelシリコンに直接統合されたこれらの機能は、コンピューティングにおけるセキュリティの向上、セキュリティソリューションのデプロイコストの低減、性能に対するセキュリティの影響の最小化を目指して設計されている」と説明している。
Intelは、「サイバー脅威の高度化やサイバーセキュリティ人材の不足といった課題に対応するには、業界と大学が、セキュリティ意識を持った次世代のプロフェッショナルの育成と供給を加速する必要がある」という認識から、研究の促進と業界の人材不足解消に向けて、大学との提携強化を進めている。
パデュー大学は2018年4月16日、Intelと共同で開発した学生およびプロフェッショナル向けの「Design for Security Badge Program」の立ち上げを発表した。
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