Googleは、“次世代のGoogleマップビジネス”として「Google Maps Platform」を発表した。APIを整理統合し、毎月200ドル分まで無料で利用できるようにする。
Googleは2018年5月3日(米国時間)、“次世代のGoogleマップビジネス”として「Google Maps Platform」を発表した。Google Maps Platformには、イノベーションを後押しする新しい業界向けソリューションと、整理統合されたAPIプロダクトが含まれる。
Googleは2018年3月に、Google Mapsによる初の特定業界向けソリューションを発表した。このソリューションでは、ゲーム会社がGoogleマップのデータを使って、AR(拡張現実)対応の「リアルワールドゲーム」を開発できるようになった(参考)。今回発表されたGoogle Maps Platformでは、ライドシェアや資産トラッキングビジネス向けのソリューションが提供される。
ライドシェア企業は、Googleマップのナビゲーションエクスペリエンスを自社アプリに直接組み込み、ドライバーと顧客のユーザー体験を最適化できるという。資産トラッキングソリューションは、車両や資産の位置をリアルタイムに特定し、それを可視化して車両を誘導することで、企業の効率向上を支援する。Googleは、自社が洞察とノウハウを提供できる分野で将来、こうした新ソリューションを提供する方針だ。
またGoogleは、「GoogleのコアAPIは、企業が位置ベースのアプリやユーザー体験を構築するのに必要なビルディングブロックを提供する」と説明している。さらにGoogleは、コアAPIを進化させ、よりシンプルで、使いやすく、スケーラブルなものにすることを目標の1つとして掲げ、この目標に向けて多くのアップデートを行っていることを明らかにした。
Googleは18あったAPIを簡素化し、「Maps」「Routes」「Places」という3つのコアプロダクトに集約している。新しい機能の発見や調査、アプリやサイトへの追加を容易にするためだ。
APIの整理統合が行われても、既存コードはそのまま動作し、変更を加える必要はないという。Googleは、既存ユーザー向けGoogle Maps Platformガイドも公開している。
Googleは従来の「標準」プランと「プレミアム」プランを統合し、従量制の単一の料金プランとした。新プランでは、開発者は毎月200ドル分まで無料で利用できる。Googleは、ほとんどの開発者の月間使用量は無料の枠内に収まると見積もっている。この新プランでは、料金は各月のサービス使用量に応じて課金され、年会費や前払い金、解約料はかからず、使用上限もない。
また、Googleは全ての顧客向けに無料の顧客サポートも展開している。さらに、APIプロダクトはGoogle Cloud Platform Consoleに統合され、開発者にとって、使用状況の追跡やプロジェクトの管理、新しいGoogle Cloudプロダクトの発見がしやすくなっているという。
なお2018年6月11日から、Googleのコアプロダクトにアクセスするには、有効なAPIキーとGoogle Cloud Platformの課金アカウントが必要になる。課金を有効にすると、毎月200ドル分まで無料でMaps、Routes、Placesを使用できる。
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