Amazon Web Services(AWS)は、Amazon EC2の第5世代コンピューティング最適化インスタンスファミリーである「Amazon EC2 C5」でNVMeローカルストレージを使える「C5d」インスタンスを発表した。
Amazon Web Services(AWS)は2018年5月17日(米国時間)、「NVMe」(NVM Express)ローカルストレージを備える「Amazon EC2 C5」インスタンスである「C5d」を5つのリージョンで提供開始したと発表した。
Amazon EC2 C5は、Amazon EC2の第5世代コンピューティング最適化インスタンスファミリー。vCPU(仮想CPU)当たりの価格がAmazon EC2ファミリーで最も低く、大量の演算を行う下記のような高度なワークロードに最適とされている。
この中で、動画エンコーディングや画像操作などのメディア処理は、一時ストレージに対して大量のI/Oが必要となることが多い。また、処理を早く終わらせてアイドル状態に移行することを目指す「Race to Idle」モデルで実行されたバッチ処理およびログ処理では、コンピュートリソースを最大限に活用するために揮発性データをできるだけ速くディスクにフラッシュする必要がある。
AWSはそれらに対応するために、永続的なブロックストレージである「EBS」(Elastic Block Store)とは異なる、インスタンスタイプごとに固定サイズで割り当てられた揮発性のローカルストレージを備えるC5dインスタンスを開始した。
C5dインスタンスは、以下の6つのサイズが利用できる。
インスタンス名 | vCPU | RAM | ローカルストレージ | EBS帯域幅 | ネットワーク帯域幅 |
---|---|---|---|---|---|
c5d.large | 2 | 4GiB | 1 x 50GB NVMe SSD | Up to 2.25Gbps | Up to 10Gbps |
c5d.xlarge | 4 | 8GiB | 1 x 100GB NVMe SSD | Up to 2.25Gbps | Up to 10Gbps |
c5d.2xlarge | 8 | 16GiB | 1 x 225GB NVMe SSD | Up to 2.25Gbps | Up to 10Gbps |
c5d.4xlarge | 16 | 32GiB | 1 x 450GB NVMe SSD | 2.25Gbps | Up to 10Gbps |
c5d.9xlarge | 36 | 72GiB | 1 x 900GB NVMe SSD | 4.5Gbps | 10Gbps |
c5d.18xlarge | 72 | 144 GiB | 2 x 900GB NVMe SSD | 9Gbps | 25Gbps |
C5dインスタンスのスペックは、ローカルストレージが追加されている点以外、C5と同一だ。いずれも3.0GHzの「Intel Xeon Platinum 8000」シリーズプロセッサを使用しており、EC2に最適化されている。「Intel Turbo Boost Technology」により、2つのコアをそれぞれ最大3.5GHzまで高速化できる。
C5dインスタンスには、ENA(Elastic Network Adapter)およびNVMeドライバを含む任意のAMI(Amazonマシンイメージ)を使用できる。そのAMIの中にはAmazon Linux、Microsoft Windows(Server 2008 R2、Server 2012、Server 2012 R2、Server 2016)、Ubuntu、Red Hat Enterprise Linux、SUSE Linux Enterprise Server、CentOSベースが含まれる。
C5dインスタンスは、オンデマンドインスタンス、リザーブドインスタンス、スポットインスタンスで、米国東部(バージニア)、米国西部(オレゴン)、EU(アイルランド)、米国東部(オハイオ)、カナダ(中央)の各リージョンで利用できる。料金はリージョンによって異なり、同等のC5インスタンスより若干高めとなっている。
なお、AWSは、今後数カ月間に他のEC2インスタンスタイプにも、NVMeローカルストレージを追加するとしている。
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