デンソーウェーブとNECソリューションイノベータは、セキュリティ性が高く、偽造や改ざんに強いQRコード「SQRC」を用いた「顔認証なりすまし防止ソリューション(SQRC版)」を発表。SQRC対応のハンディーターミナルを使うため、ネットワーク環境がなくても、顔認証システムを利用できるようになる。
デンソーウェーブとNECソリューションイノベータは2018年6月14日、セキュリティ性の高いQRコード「SQRC」を用いた「顔認証なりすまし防止ソリューション(SQRC版)」を発表、同年7月から両社で販売を開始する。
SQRCは、データの読み取り制限機能を備えたQRコード。SQRCのデータは「公開」と「非公開」で構成され、1つのコードに2つの管理レベルの情報を持たせることができる。URLなどの一般情報を公開部分に、顔の特徴データや社員番号などの機密情報を非公開部分に格納することで、機密情報を秘匿化。非公開データは、暗号キーを持った専用リーダーでのみ読み取り可能なため、データの保護が可能になる。
顔認証なりすまし防止ソリューション(SQRC版)では、事前に顔の特徴データをQRコードに格納する。SQRCに対応したデンソーウェーブ製ハンディーターミナル「BHTシリーズ」で顔写真を撮影し、顔画像から特徴データを抽出してSQRC化。本人のスマートフォンや証明書でそのSQRCを表示できるようする。
本人確認の際は、BHTシリーズでこのQRコードの読み込みと、顔撮影による顔照合を行う仕組みだ。ネットワーク環境がない場所でも顔認証が可能(オフライン顔認証)で、個人情報を端末内に保持しないため、セキュリティリスクが軽減される。
なお、ハンディーターミナル「BHTシリーズ」は、QRコードとSQRCの双方を読み取れるため、入出庫、検品、棚卸し、点検などの業務と、顔認証による本人確認を1台の端末で行える。
両社は2014年から、QRコードと顔認証技術を連携したソリューションの開発を開始。2017年11月から3カ月間、金融機関で実証実験を行うなど、検証を重ね、同ソリューションの開発を進めてきた。
今後は、同ソリューションの一部をクラウド上で利用できるようにするなど、ユーザーの使用用途に合わせた商品強化を図る計画だ。
また、両社の販売網を生かした共同マーケティングと販売を行い、金融窓口やATM操作時の本人確認、作業者の資格保有確認、店舗スタッフの本人確認、受験・受講時の本人確認など、金融、製造、リテール、教育といった分野での活用シーンを開拓し、販売を拡大していくとしている。
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