レッドハットは2018年6月26日、コンテナ関連製品事業に関する同社の新たな展開を説明。ぐるなびはOpenShift Container Platformの導入について説明し、ソフトバンクコマース&サービスは同製品を取り扱うことを明らかにした。
レッドハットは2018年6月26日、コンテナ関連製品事業に関する同社の新たな展開を説明。ぐるなびはOpenShift Container Platformの導入について説明し、ソフトバンクコマース&サービスは同製品を取り扱うことを明らかにした。
まず、2018年5月のRed Hat Summit 2018およびその後の展開で、Red Hatが買収したCoreOSの持つ製品の統合に向けた動きが、多少分かりやすくなってきた。
Container Linuxは「Fedora CoreOS」として、Fedora Projectの傘下に入った。Fedoraをベースに、Container Linuxの自動アップデート機能などを維持した軽量OSの開発を進める。新OSはFedora Atomic Hostを置き換えるものとなる。Red Hatはこれをベースとした「Red Hat CoreOS」を、将来提供する。
Kubernetes運用支援プラットフォームのTectonicは、Red Hat OpenShift Container Platformの自動運用機能として、将来提供する予定。さらにコンテナレジストリのQuay(「キー」と読む)は、Red Hat OpenShift Container Platformのレジストリ機能に代えて使いたい人のためのオプションとして、既に提供開始されている。
CoreOSは、Kubernetesコミュニティで、「Operator」というフレームワークを提唱してきた。これは特にステートフルなアプリケーションにおけるスケーリングや再構成のためのベストプラクティスをコード化するもの。Red Hatはこれを、特にデータベースをはじめとしたサードパーティーのアプリケーション統合に生かしていくという。
また、Red Hat OpenShift Container Platformでは、サービスメッシュのIstioおよびサーバレスコンピューティングのOpenWhiskを、将来提供する計画となっている。
一方、レッドハットは日本で、ミドルウェアをバンドルした製品を販売開始したことを明らかにした。「Core」「Plus」「Portfolio」の3種類のバンドルにより、既存アプリケーションのリフト&シフトからマイクロサービス化まで、複数の要件に対応する。
企業におけるコンテナプラットフォームへの直近のニーズとして顕在化しているのは、既存アプリケーションのリフト&シフトだ。レッドハットでは、ミドルウェア製品を含めて、企業における開発・運用環境の段階的な移行に対応できる数少ないベンダーであることをアピールしていく。
ぐるなびは、技術開発のためのサービス運用基盤として、Red Hat OpenShift Container Platformを採用した。これに基づいて開発環境準備のセルフサービス化を実現。従来は開発者がインフラ担当部署に依頼してから環境が実際に使えるようになるまでに2、3日を要していたが、現在は依頼項目が半減。短時間で利用を開始できるようになったという。
同社は元々、マルチクラウドに対応でき、最新の技術を活用できるとともに、開発作業のスピードアップにつながる基盤を探していた。今回の成果を受け、全社的な採用も検討するという。
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