富士ゼロックスは、人の視覚情報処理の仕組みを利用したAI技術を活用したクラウド型帳票処理ソリューション「Smart Data Entry」を開始。手書き帳票を高速、高精度で読み取り、データ化から業務システムへの出力までをシームレスに実現して、業務プロセスを効率化する。
富士ゼロックスは2018年7月5日、AI(人工知能)による独自の文字認識技術を搭載した手書き帳票処理クラウドサービス「Smart Data Entry」の提供を開始した。
Smart Data Entryは、手書き帳票をOCRで読み取ってデータ化し、情報抽出、確認、訂正、データ出力までをシームレスに実現する帳票処理ソリューション。
従来は人手で行っていた帳票データの入力作業やデータの仕分け、目視による確認作業といった定型業務を削減し、入力ミスなどの人的ミスも防止することで、業務プロセスの効率化、高度化を図ることができる。
Smart Data EntryのOCR機能は、人の視覚情報処理の仕組みを利用した独自のAI技術を搭載。氏名、住所など、読み取り項目ごとのデータをベースに構築した学習済みモデルを活用し、単文字としても、つながりのある文字列としても99.1%の高い認識率で読み取れるという。
人間が書いたさまざまな文字を深層学習した“AI-OCR”エンジンと、深層学習済みモデルとの組み合わせにより、人間の判断力に近い高精度な読み取りが可能。判別しにくい文字も、氏名、住所など、前後のつながりから正しく判断できる。
また、CSVフォーマットでの出力に対応し、各種RPA(Robotic Process Automation)ソリューションなどと組み合わせた業務自動化に活用できる他、富士ゼロックスの複合機や電子文書を一元管理するドキュメントハンドリングソフトウェア「DocuWorks」との連携も可能。複合機で読み取った帳票情報をDocuWorks上で確認、訂正し、データベースなどに出力するといった処理も可能になる。
Smart Data Entryの価格は、2ユーザー/月間2000ページまでの「基本サービス」が月額20万円(税別、以下同)。「ユーザー追加オプション」は1ユーザー当たり月額1万円(基本サービス1契約当たり最大18ユーザーまで)、「処理ページ追加オプション」は月間3000ページ追加で月額27万円、月間8000ページ追加で月額72万円など。また、初期導入時には、同社のシステムエンジニアによる環境構築費用が別途必要となる。
なお、同社は、2018年3月に、AI/IoT時代の価値提供戦略として「Smart Work Innovation」を策定し、AI、IoT、IoH(Internet of Humans)技術を活用して業務効率化や生産性向上を支援するサービスの展開を計画。Smart Data Entryは、このSmart Work Innovationに基づいて開発したクラウドサービスで、紙文書の処理を含むワークフローの整流化と自動化の実現により、企業の働き方改革を支援するとしている。
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