NECは、ファイルサーバ統合管理ソフト「NIAS(NEC Information Assessment System)」の新バージョン「V4.1」を発表。企業の海外拠点や工場、店舗といった複数拠点に分散するファイルサーバの一括管理機能や、個人情報データのセキュリティなどが強化された。
NECは2018年7月23日、ファイルサーバ統合管理ソフトウェア「NIAS(NEC Information Assessment System)」の機能強化版として、新バージョン「V4.1」の販売を開始した。NIAS V4.1では、複数拠点に分散したファイルサーバを一括管理できる機能や、個人情報を含むファイルだけを暗号化できるセキュリティ機能、クラウドサービス連携機能などを強化されている。
NIASは、ファイルサーバの“見える化”や不要ファイルの整理によってストレージ容量の肥大化を防ぎ、ファイル単位でのアクセス権管理や個人情報を含む重要なファイルの可視化によって、情報漏えいリスクなどを低減するセキュリティ対策が可能なファイルサーバ統合管理製品。
NECによると、グローバルに展開する企業の海外拠点や製造業の工場、流通業の店舗など、複数の拠点を持つ企業では、拠点ごとにファイルサーバが設置されていたり、ストレージの低価格化に伴ってファイルサーバの利用容量が大規模化したりするケースが増えているという。一方で、ファイルサーバを狙ったセキュリティ犯罪の脅威が増していることなどから、拠点ごとに分散したファイルサーバを一括して運用管理し、セキュリティを強化したいというニーズが高まっているという。
NIAS V4.1は、こうしたニーズに応える機能を装備。NIASのエージェントサーバが全拠点のファイルサーバ情報を収集し、本社などに配置したNIAS管理サーバに集約することで、一括した管理を実現する。
これにより、世界各地に分散したファイルサーバを、全社共通の運用ルールやセキュリティポリシーで一元的に分析、管理することができる。
また、個人情報を含むデータを有するファイルサーバのセキュリティ対策として、個人情報ファイルの暗号化機能を強化。
従来の情報漏えい対策ソフトでは、全てのファイルを暗号化する対策が一般的なのに対し、NIASでは、ファイルごとの利便性を重視し、重要度の高い情報のみを選択して暗号化できる機能を搭載。V4.1では、NECのファイル暗号化製品「Infocage FileShell」と連携することで、ファイルサーバに格納された個人情報を含む重要なファイルだけを定期的に発見し、即座に暗号化する。
これにより、重要度の高いファイルのセキュリティを確保。他のファイルは暗号化せずに運用でき、利便性を高められるという。
さらに、他社製クラウドサービスとの連携機能も強化。従来の「AWS(Amazon Web Services)」や「Microsoft Azure」などに加え、クラウドストレージ「Box」との連携が可能になった。
これにより、例えば、オンプレミス環境にあるファイルを可視化し、整理した上で、重要なファイルはオンプレミス環境に残しつつ、社外で共有が必要なファイルをBoxに自動に移行するなど、ファイルごとに保管、運用場所を最適化することが可能になるという。
NIASの提供価格は、基本ライセンスが50万円(税別、以下同)から、「リソース管理オプション」「個人情報検出オプション」がともに50万円から。サービス提供開始は、2018年8月9日の予定となっている。
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