台湾セブン-イレブンの無人コンビニ「X-STORE」が、NECの顔認証AIを活用した顔認証システムと、異なる形状の商品でも高精度に識別する画像認識技術を活用したPOSシステムを導入。無人店舗のセキュリティと、顔認証を活用したスムーズな購買フローについて実証が行われる。
NECは2018年7月23日、台湾セブン-イレブンが開設した無人コンビニ「X-STORE」に、NECの顔認証AIエンジン「NeoFace」を活用した顔認証システムと、画像認識技術を活用したPOSシステムを提供したと発表した。
X-STOREは、2018年1月に台湾セブン-イレブンの本社ビル内に社員限定利用として開設され、6月25日から一般消費者向けの利用を開始。3週間で利用者は3000人を超え、7月18日には台北市の信義区に2号店(必成店)を開設した。
台湾セブン-イレブンでは、X-STOREで最新のAI/IoT技術や運営モデルの実証実験を行うとともに、店舗内のデータをマーケティングに活用することで、台湾リテール業のイノベーションを加速したい狙いがある。
今回、NECの顔認証システムを利用者の入退店と決済(現在は本社社員限定)に採用し、無人店舗におけるセキュリティの向上と、“Face in、Face pay、Face go”(顔認証で入店し、支払い、店を出る)という利用者の新しい購買フローを実現する。
入店の際には、店舗入口の横に設置した端末で事前に登録した顔画像と、入退店時に通るゲートのカメラで撮影した顔画像を照合して本人を確認。ゲートのモニターには、利用者ごとに合わせたメッセージも表示される。
決済には、統一企業グループ発行の電子マネー「icash2.0」が使われるが、本社社員限定で顔認証による決済も可能。購買情報は給与システムと連携し、給与天引きで清算される。
決済時に行う購入商品の読み取りには、画像認識技術を活用したPOSシステムが使われる。利用者がレジ台に購入商品を置くと、カメラが複数商品を一括で自動認識する。バーコードを1つ1つ読み込ませる必要がないため、決済時の商品の読み取りが効率化される。
なお、このPOSに活用されている技術は、形状やデザインなどが異なる多種多様な商品を高精度に識別する物体認識技術。形状や色などの画像の特徴を深層ネットワークで学習するディープラーニング技術と、画像の特徴点を検出して登録画像との特異点をマッチングする特徴点マッチング技術という、2種類の画像認識技術を組み合わせて実現している。
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