Googleは2018年7月24日(米国時間)、年次イベント「Google Cloud Next ’18」で、G Suiteの機能強化を発表した。Gmailでは、自動応答に加えて自動文章作成機能を提供する。G SuiteのセキュリティポータルであるSecurity Centerにも、新ツールが加わった。
Googleは2018年7月24日(米国時間)、クラウドサービスについての年次イベント「Google Cloud Next ’18」で、Gmailにおける自動文章作成機能やG SuiteのセキュリティポータルであるSecurity Centerの新ツール、G Suiteアプリデータの保存地域限定機能など、G Suiteの機能強化を発表した。
Gmailは、「Auto Replay」と呼ばれる自動応答支援機能を既に備えている。これは、受信したメールの文脈に即した返信文の候補が画面下部に表示され、選択するだけで答えられるというもの。G Suiteユーザーは間もなく、この機能をHangouts Chatでも使えるようになるという。
今回のイベントでGoogleは、Gmailにおける「Smart Compose」機能の搭載を発表した。Smart ComposeはSmart Replyと異なり、返信メールでなくとも使える機能。メールの書き出しや結びの言葉をはじめ、定型的あるいはよく使う表現を自動的に埋める支援をする。推奨表現は先取りでインライン表示される。いわゆるオートコンプリートのような使い勝手だ。挨拶などについては、メールの送信先に応じて、適切と思われる表現を推薦してくれる。職場や自宅の住所など、決まりきった情報についても、自動的な入力を支援する。ユーザーの入力から自動的に学習し、より的確な表現を推奨できるように育っていくという。同機能はコンシューマー向けGmailで2018年5月に提供開始。まもなく、G Suiteユーザーが使えるようになるという。
また、Googleドキュメントでは、文法の誤りをリアルタイムで示す機能を、G Suiteユーザーに対し、早期採用プログラムとして同日に提供開始したという。
一方、Googleは、G Suiteのセキュリティダッシュボード機能であるSecurity Centerの強化を発表した。また、G Suiteアプリケーションのデータ保管地域を特定できるようになった。
Security Centerの強化では、「Investigation tool」と呼ばれる新たな機能を、G Suite Enterprise顧客向けに、早期採用プログラムとして提供開始したという。「investigation」は「捜査」といった意味だが、今回の新機能では、マルウェアに感染している可能性のあるユーザーを特定し、このユーザーが組織外と共有したデータを確認したり、Googleドライブのファイルへのアクセスをはく奪したり、不正メールを削除したりできるという。すなわち、データセキュリティへの脅威の発見から対策までを支援するツールといえる。
G Suiteアプリケーションのデータ保管地域選択機能では、特定のG Suiteアプリケーションについて、自組織のユーザーの一次データについて、その保存場所を、「全世界」「米国」「欧州」のいずれかに設定できる。この機能は、G Suite BusinessおよびG Suite Enterpriseの顧客が無償で使えるようになる。
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