主要パブリッククラウドベンダーが軒並みマネージドKubernetesを提供する中、VMwareが「VMware Kubernetes Engine(VKE)」を発表した。完全にマネージドであることと、マルチクラウドが大きな特徴という。
VMwareは2018年8月26日、年次イベントVMworld 2018で、マネージドKubernetesサービスの「VMware Kubernetes Engine(VKE)」を発表した。β版の提供を開始したという。主要パブリッククラウドベンダーが軒並みマネージドKubernetesを提供する中、VKEを選択する理由はどこにあるのだろうか。
VKEはVMwareがパブリッククラウド上で提供するサービス。現在はAmazon Web Services(AWS)上で動いている。一般提供開始時には、US-West-2(オレゴン)、US-East-1(北バージニア)EU-West-1(アイルランド)の3リージョンで使えるようになるという。
VKEはAWSに加え、Microsoft Azure、Google Cloud Platformでも提供の予定となっている。つまり、マルチクラウドが特徴の一つ。あるクラウドから別のクラウドへの移行も容易という。VKEのWebユーザーインタフェースから、全てのパブリッククラウド上のVKEクラスタを一括管理できる。それぞれのパブリッククラウドで、そのクラウドが提供するさまざまなサービスを活用することもできる。
「VKEは完全なマネージドサービスで、マスターノード、ワーカーノードの双方が自動的に構成される。従って、(環境構築作業が不要であり、)コンテナをデプロイするところから始められる。サービスの利用開始から10分以内にアプリケーションを立ち上げられる。高い拡張性とパフォーマンス、セキュリティが特徴だ。コンテナを使い始める企業には、特に適している」と、VMware Cloud Servicesを担当するCTOのグイド・アッペンツェラー(Guido Appenzeller)氏は話す。
VKEには、「Smart Cluster」という概念がある。クラスタの構成をテンプレート化していて、複雑な定義を行うことなく、目的に合ったSmart Clusterのタイプを選択するだけで使い始められる。また、利用開始後も、稼働状況、サイジング、セキュリティについて、継続的な監視に基づき自動的な最適化が行われる。
例えばAWSが、価格性能比に優れた新たな仮想インスタンスタイプを提供開始した場合、Smart Clusterでは自動的に節約効果を判断し、次回のバージョンアップ時にクラスタを新インスタンスタイプへ移行するといったことができるという。
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