日本中央競馬会(JRA)は、手のひらの静脈認証で馬券が購入できる富士通の“キャッシュレス馬券発売機”を、2018年9月22日から東京競馬場で運用を開始。手のひら静脈認証とキャッシュレス決済で、セキュリティの高い馬券購入、払い戻しができるようになる。全国の競馬場やウインズ(場外発売所)にも順次導入予定だという。
富士通と富士通フロンテックは2018年9月5日、現金を使わず、手のひらをかざすことで馬券(勝馬投票券)を購入できるキャッシュレス発売機を共同で開発したと発表した。日本中央競馬会(JRA)が2018年9月22日から東京競馬場で運用を開始する。
キャッシュレス発売機の利用者は、あらかじめキャッシュレス決済用の会員専用ICカード「JRA-UMACA(ウマカ)」に加入する際に、手のひらの静脈情報を登録し、カードを本人とひも付ておく。
キャッシュレス発売機に搭載した富士通の手のひら静脈認証技術は、個人ごとに異なり、複雑な静脈パターンを認証に利用するため、偽造によるなりすましは難しく、高精度の本人認証を実現する。
馬券を購入する際には、現金をチャージしたJRA-UMACAをキャッシュレス発売機にかざし、手のひら静脈で本人認証を行う。馬券の購入情報はJRA-UMACAに記録され、予想が的中した際の払戻金はJRA-UMACAに自動入金される。
キャッシュレス決済の導入により、高いセキュリティを伴った馬券購入、払い戻しが可能になる上、紙の馬券を発券しないため、利用者が馬券を紛失するリスクもなくなる。また、万が一、JRA-UMACAカードを紛失しても、手のひら静脈認証による本人確認が必須であるため、第三者の不正利用を防止できるという。
なお、従来はネット投票でしか購入できなかった海外競馬や「WIN5(5重勝単勝式の勝馬投票券)」もキャッシュレス発売機で購入できるようにした。こちらの払戻金も、JRA-UMACAに即時に自動入金される。
JRAでは、この新型キャッシュレス馬券発売機を東京競馬場での運用開始を皮切りに、年内に福島、中京、阪神の各競馬場に導入。全国の競馬場やウインズ(場外発売所)にも順次導入を拡大する予定としている。
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