Procmonのブートログは、システムの詳細なアクティビティーを記録できますが、監視負荷が大きいため、調査が必要なときに有効化します。対して、Sysmonは常にシステムを監視し、監視データをイベントログに記録します。
Sysmon(System Monitorの略)は、Windowsのサービス(Sysmon)およびデバイスドライバ(SysmonDrv)としてシステムにインストールされます。一度インストールされると、システムのブート初期段階からシャットダウン処理の途中まで、システムのアクティビティーを監視し続けます。この監視は、Sysmonをアンインストールするまで続きます。
Sysmonを「-i」オプション付きで実行すると、サービスとドライバがシステムにインストールされます(画面4)。「-u」オプション付きで実行すると、アンインストールされます。「-c」オプションは、現在のSysmonの構成を表示または変更します。
詳細な構成については説明を省きますが、既定ではプロセスの作成(イベントID 1)と終了(イベントID 5)、ドライバの読み込み(イベントID 6)、Sysmonサービスの状態変化(イベントID 4)を「Microsoft-Windows-Sysmon/Operational」ログに記録します(画面5)。
オプションでネットワーク接続の状況監視、特定のプロセスだけを対象とした監視、プロセスに対するモジュールの読み込み、リモートスレッドの作成、レジストリアクセス、WMI(Windows Management Instrumentation)イベントの監視などを構成できます。
Procmonのブートログに比べれば、Sysmonの監視負荷は高くありません。しかし、Sysmonの構成によっては、過度な監視につながる場合もあります。詳細レベルで監視を行う場合は、特定のプロセスだけを対象とするなどの工夫が必要になります。また、大量のログが記録されることになるので、「Microsoft-Windows-Sysmon/Operational」ログの最大サイズや上書き設定を適切に調整する必要もあります。
岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(Oct 2008 - Sep 2016)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『Windows Server 2016テクノロジ入門−完全版』(日経BP社)。
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