ソフトバンクら3社が、介護施設でのリハビリ指導や夜間巡回に「Pepper」を活用する実証実験を開始。人材不足や見守り業務の効率化など、介護業界の課題解決を目指す。
介護付き有料老人ホームなどを展開するユニマット リタイアメント・コミュニティは、ソフトバンクロボティクス、ソフトバンクと共同で、介護施設における人型ロボット「Pepper(ペッパー)」の活用に向けた実証実験を2018年10月1日から開始する。
同実証実験は、ユニマット リタイアメント・コミュニティが運営する東京都や神奈川県などの介護施設6箇所で行われる。
言語聴覚士や理学療法士、作業療法士などのリハビリ専門家が監修した病院や介護施設向けのリハビリアプリ「まいにちロボリハ」(開発:ロゴス)を活用して、Pepperによるリハビリ訓練を入所者に提供する。
まいにちロボリハが提供するリハビリ内容は、名詞や動作の呼称を発話するものから、答えを画面でポインティングするもの、上肢トレーニングなどの体を動かすものなど、11種類(2018年内に約20種類に増加予定)。Pepperの顔認証機能を活用して、利用者に合わせたリハビリを提供し、結果データを蓄積することも可能だ。
また、Pepperが認知症を患う入所者の会話相手になることで、認知症の予防・予知・ケアにつなげる他、介護スタッフが行っている夜間の定期巡回をPepperで代替・補助し、その効果を検証する。
夜間の定期巡回の検証では、Pepperが施設内を巡回し、廊下を徘徊(はいかい)する入所者などを発見すると、施設の管理者に通知。通知を受けた管理者は、Pepperのカメラを通して映像を見ながら入所者とやりとりできるため、遠隔からの対応も可能になる。
3社は、実証実験を通じて、介護施設での人型ロボットの活用効果を検証し、人材不足や見守り業務の効率化といった介護業界の課題解決を目指す。
ユニマット リタイアメント・コミュニティでは、実証実験の結果を踏まえて、全国で運営する全施設約300箇所へのPepperの導入を検討していくという。
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