ドラッグストア「マツモトキヨシグループ」は、ほぼ全店舗で「Alipay(支付宝)」の取り扱いを開始。訪日中国人をはじめとしたインバウンド対応によるロイヤリティー向上を目指す。
マツモトキヨシホールディングス(マツモトキヨシHD)は2018年10月30日、全国に約1600店舗を展開するドラッグストア「マツモトキヨシグループ」の全店舗(一部店舗を除く)で、中国のモバイル決済サービス「Alipay(支付宝)」の取り扱いを開始した。
日本政府観光局の統計データによると、増加傾向にある訪日外国人は2007年に834万人、2017年に2869万人と、10年で約3.4倍に拡大。2017年の中国からの訪日客は735万人で、全体の約26%を占めた。
マツモトキヨシHDでは、こうしたインバウンド需要を見越した取り組みとして、2008年1月には繁華街や観光地などの訪日観光客の多い店舗に、中国で幅広く使われている「銀聯(ぎんれん)カード」による決済を導入している。
今回、アクティブユーザー数が約7億人以上とされる中国市場最大規模のモバイル決済サービスであるAlipayに対応することで、訪日中国人顧客の利便性向上など、インバウンド対応のロイヤリティー向上を目指すとしている。
Alipay対応に当たり、マツモトキヨシHDでは、店舗業務を支えるインフラ基盤とモバイル決済サービスを連携させるクラウドプラットフォームを新たに導入。この構築は、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)が担当した。
NTT Comでは、以前からマツモトキヨシグループに企業向けVPNサービス「Arcstar Universal One(UNO)」、データセンターサービス「Nexcenter」、企業向けクラウドサービス「Enterprise Cloud」を提供し、店舗業務のデジタル化などを支援してきた。
今回、Amazon Web Services(AWS)上にマルチクラウド対応のゲートウェイを構築することで、マツモトキヨシグループのインフラ基盤とマルチモバイル決済ソリューション「StarPay」を連携させるプラットフォームを実現したという。
StarPayは、NTT東日本グループと資本提携するネットスターズが提供するモバイル決済ソリューション。Alipayの他、「WeChat Pay」「LINE Pay」などの各種QRコード決済に対応する。これにより、マツモトキヨシグループの店舗では、今後、Alipayに加えて、他のモバイル決済サービスへの対応も可能になるという。
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