全国で77カ所のデイサービスセンターを運営するケアパートナーは、利用者の送迎業務にパナソニック カーエレクトロニクスの車両送迎支援サービス「DRIVEBOSS」を導入。時間のかかる送迎計画作成をAIで自動化し、業務の効率化を図る。
介護サービスなどを手掛けるケアパートナーは2018年11月2日、デイサービス(通所介護)の送迎業務の効率化に向け、全国11カ所のデイサービスセンターに、パナソニック カーエレクトロニクスの業務用車両管理サービス「DRIVEBOSS(ドライブボス)」を活用した送迎支援システムを導入すると発表した。11月23日(金)から運用を開始する。
DRIVEBOSSは、カーナビゲーションを利用して、車両ごとの運行状況に関するデータをクラウドに収集し、分析することで、運行業務の効率化やコスト削減、安全運転の推進、業務ノウハウの蓄積、共有などを支援するクラウドサービス。
介護・福祉業界向けには、施設利用者の送迎業務を支援するサービスとして展開。AIがその日の条件に合わせて合理的な送迎計画を提案する機能や、効率的な送迎、安全運転や安全な場所での乗降介助などをナビゲートする機能などを提供している。
デイサービスでは、送迎に費やされる労力は大きく、経済産業省の調査(2016年3月)によると、1日の業務の約3割を送迎業務が占めるという。その大きな要因の一つは送迎計画の作成で、道順の効率性や乗客同士の仲の良しあし、車椅子の必要性、スタッフの配置といった、さまざまな制約情報を加味して最適なルートを考案する必要があるため、時間がかかる上、運転手の経験に依存する割合が多い業務になっている。
ケアパートナーでは、これらの送迎業務に関する課題を解決するため、DRIVEBOSSによる送迎支援システムの導入を検討。パナソニック カーエレクトロニクスとともに、2018年4月から同システムの実証実験に取り組んだ結果、送迎業務の時間短縮や、経験が浅いスタッフでも送迎計画の作成が容易になるなど、送迎業務の効率化を確認でき、今回の本格導入に至ったという。
今回は、エリアの旗艦となる11カ所(宇都宮センター、高崎センター、つくばセンター、立川センター、大高センター、八尾センター、周南センター、宇都宮南センター、尼崎センター、上尾センター、吉川センター)に導入。2019年3月までに73カ所に導入を予定している。
同社が運営する全国77カ所のデイサービスセンターでは、1日約40〜70人の利用者がおり、従来、手作業による送迎計画の作成に毎日平均1時間半を要しているが、送迎支援システムの導入により、送迎関連業務の時間を50%削減できる見込みだという。
また、これによって新たる生まれた時間を、本来のケアサービスに費やし、直接介護の割合を高めることで、利用者満足度の向上を図るとともに、記録・帳票作成などの間接業務の時間を確保し、コンプライアンスの強化を図っていくとしている。
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