開発者向けツールSaaSのRocro、InspecodeとDocstandを正式提供開始CPUコア従量課金の理由

ソニーの開発者たちが立ち上げた開発者向けツールSaaS企業のRocroは2018年11月8日、自動コードレビューの「Inspecode」とAPIドキュメント生成の「Docstand」を正式提供開始した。

» 2018年11月08日 15時00分 公開
[三木泉@IT]

 開発者向けツールSaaSのRocroは2018年11月8日、「Inspecode」と「Docstand」の正式提供開始を発表した。

 Rocroはソニーの開発者たちが立ち上げた企業。2017年9月より、自動コードレビューサービスのInspecode、APIドキュメント生成サービスDocstand、自動負荷試験サービス「Loadroid」をβ版として提供してきた。DocstandとInspecodeはパブリックβだったが今回正式サービスとなった。Loadroidは当初からのクローズドβのままだが。2018年度中に正式サービスを開始したいという。これらのサービスについて詳しくは、下記の記事をご覧いただきたい。

参照記事:ソニーの開発者が立ち上げた企業、Rocroが世界で売る開発者向けツールSaaSとは

 Rocro代表取締役社長の小早川知昭氏は、特にInspecodeについて、「GitHubなどの、プルリクエストに基づく開発スタイルはいいが、プルリクエストのレビューに負担が掛かっている。最も生産性が高いはずの開発者がレビューに追われることで、チームとしての生産性も下がってしまう。こうした状況を改善したい」と話す。

 Inspecodeでは、開発者がプルリクエストを作成すると、同ツールが自動的に起動して、解析結果をページ上で示す。開発者はこれに基づいてコードを修正した上で、レビューを受けることができる。なお、Inspecodeでは上記のようなGitHub、Bitbucketとの連携に加え、API経由でのCIツールとの連携も進めようとしている。

ページ上でInspecodeのテスト結果が示される。右の「Details」をクリックすれば詳細な結果が見られる

 Rocroのサービスは、β提供開始後の約1年で、獲得アカウントが1700を超え、計画を上回っているという。その3分の2は国内の組織・個人。だが、オンラインマーケティングの成果で、米国、インドを中心とした日本以外のユーザーが増えているという。

 2サービスの料金体系は、GitHubでいえば「オーガニゼーション」に当たるチーム単位。サービス利用人数とは無関係に、1チームがサービスを実行する上で同時に使用する最大のCPUコア数を、1コア当たり月額50ドルで契約する。なお、「Freeプラン」として、1コアであれば今後も無償で利用可能。2018年11月末までは、Freeプランでも無制限の利用が可能という。

 この料金体系は、Rocroのサービスが持つ高速性という特徴から来ているという。同社のサービスでは、例えばInspecodeの場合、複数のツールを並列実行することで、チェックに掛かる時間を短縮している。つまり、CPUコアを多く使うほど時間が短縮できる。このため、高速性に価値を見いだす組織には、より多く支払ってもらえると考えているという。

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