HITOWAケアサービスは、全国展開する有料老人ホームにIoTとAIを活用して入居者を見守るパナソニックの介護施設向け見守りサービス「みまもり安心サービス」を導入する。センシングデータで入居者の活動状況を把握するなど、介護業務の効率化を支援する。
介護サービス事業を展開するHITOWAケアサービス(以下、HITOWA)とパナソニックは2018年12月4日、IoT(Internet of Things)とAI(人工知能)の活用による介護施設の効率化とサービス向上に向けて、HITOWAが運営する有料老人ホーム「イリーゼ」に、パナソニックの介護施設向け見守りサービス「みまもり安心サービス」を導入すると発表した。
既に2018年10月1日に、イリーゼ練馬中村橋(東京都練馬区)に同システムを導入しており、検証を経て、順次他施設にも拡大展開を図るとしている。
パナソニックのみまもり安心サービスは、居室に設置した高感度センサーとクラウドサービス対応型エアコンを用いて、入居者のプライバシーに配慮しながら住空間情報と生活情報を検知して見守るサービス。
センサーでバイタルサイン(心拍や呼吸に伴う微細な身体の動き)を捉え、クラウド上のAIで分析することで、安否状況や睡眠・覚醒の生活リズムなどを把握できる。各居室の温湿度や活動情報は、事務室のPCなどで全室の一覧を把握できる他、エアコンの遠隔操作も可能。異常があればナースコールに自動通知する機能も備える。
これにより、入居者の熱中症・脱水症状といったインシデントの迅速な把握や、夜間の安否確認、状況把握が容易になる。同システムによる安否確認を併用することで、介護職員の巡回業務の負担軽減にもつなげられるという。
また、今回イリーゼでは、画像認識機能を備えたIPカメラ(ネットワークカメラ)を使った映像データの収集、分析クラウドプラットフォーム「Vieureka(ビューレカ)プラットフォーム」も組み合わせて活用。ベッド上の高齢者の詳細な動きを捉えて転倒事故を未然に防止する、入居者の活動傾向などを可視化して各人に合ったケアプランを作成するといった試みについても検証する。
HITOWAでは、今回のIoT/AI技術を活用した介護サービス支援システムの検証を通して、介護職員の業務の効率化を実現し、介護職員が人でしか成し得ない業務に集中できる環境づくりを行い、介護サービスの充実を目指す方針。
さらに今後、適用範囲の拡大を検討し、入居者の排せつリズムや睡眠リズムなどの生活リズムの予測や予知を行うことで先回りの介護を実現するなど、さらなる介護業務の負担軽減と入居者のQOL(生活の質)向上を目指す。
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