Googleは、AR環境を構築するためのプラットフォーム「ARCore」と3Dレンダリングライブラリ「Sceneform」を、いずれもVersion 1.6にアップデートした。AR空間をより自然に見せる改善が多数盛り込まれている。
Googleは2018年12月7日(米国時間)、拡張現実(AR)環境を構築するためのプラットフォーム「ARCore」とJava開発者向け3Dレンダリングライブラリ「Sceneform」を、いずれもVersion 1.6にアップデートしたと発表した。
ARCore 1.6では、よりリアルで魅力的なエクスペリエンスの構築を支援するさまざまな機能が追加された。Sceneform 1.6ではプレーンバウンダリーラッキングが改善された他、ライティングが向上した。
Sceneformの従来バージョンでは、周辺光をイエローに最適化していたが、Version 1.6では無色とホワイトに最適化した。この変更によって、実際の光の見え方により近くなり、デジタルオブジェクトがより自然に見えるという。
具体的には、周囲の環境の色や光から、Sceneformでレンダリングされたオブジェクトの受ける影響がより自然になった(図1)。
例えば、日没時にARオブジェクトを見ると、実際のモノのように、赤やオレンジの光に照らされているように見える。
さらにSceneformに組み込まれている環境画像をアップデートしたため、アプリケーションでより自然なシーンを再現できるようになった。環境画像を更新した効果は、滑らかな金属面の反射を見ると、最もよく分かるという。
Sceneform 1.6には画面キャプチャーと録画機能も追加された。これはARアプリの品質とエンゲージメントの向上を支援するためだという。既に多くの開発者から、デモの録画やプロトタイピングに役立つとして要望されていた機能だ。これらの機能は、ソーシャルメディアで画面ショットや動画を共有する際にも利用できる。
これらの新機能にアクセスするには、SceneViewクラスの画面ミラーリングAPIを使う。このAPIでは、Sceneformのビューをデバイス画面に表示しながら、他の画面(Android MediaRecorderの入力画面など)にレンダリングすることも可能だ。
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