セブン‐イレブン・ジャパンとNECは、マイクロマーケット(小規模商圏)への本格展開を見据え、省人型コンビニの実験店舗となる「セブン‐イレブン三田国際ビル20F店」をオープン。顔認証による入店や決済、顧客属性に合わせた商品案内、店内や設備の遠隔監視などの導入効果を検証する。
セブン‐イレブン・ジャパンとNECは2018年12月17日、NECのAI(人工知能)/IoT(Internet of Things)技術を活用した省人型店舗の「セブン‐イレブン三田国際ビル20F店」をオープンした。
東京都港区のオフィスビル「三田国際ビル」内にオープンしたこの店舗は、オフィスビルや病院、工場内などに小規模店舗を出店するマイクロマーケット(小規模商圏)の本格展開を見据えた実験店舗。顔認証による入店や決済、顧客属性に合わせた商品案内、映像解析による店内や設備機器の遠隔監視、AIの需要予測による発注支援などを導入し、その有効性を検証する。
売り場面積は約26平方メートルで、おにぎりやサンドイッチ、菓子、飲料、雑貨など、約400品目を販売。同じビルに入居するNECグループ会社の社員のみが利用できる。
顔認証による入店には、歩きながらの認証が可能なNECの「ウォークスルー顔認証」を活用。事前登録した顔情報で認証を行い、自動ドアをオープンする。
店内では、コミュニケーションロボット「PaPeRo i(パペロ アイ)」が、顔認識した来店客の属性に応じたおすすめ商品を提案。また、デジタルサイネージには、客層分析型サイネージソリューション「ターゲット広告サイネージ」を活用し、カメラ映像の顔画像から推定した年齢や性別などに合わせた広告を表示する。
会計は、利用客自らバーコードで商品をスキャンするセフルレジ式で、決済は顔認証で完了。支払いは、給与天引きで精算される。顔認証以外に、社員証による決済にも対応する。
これら利用客の快適性や便利性を支えるシステムに加え、店舗スタッフの業務を支えるシステムも導入し、省力化を図っている。
店内の状況は、カメラ映像をAIで解析するエリア検知技術を活用して遠隔から確認でき、特定エリアへの侵入検知もできるようにした。
また、設備機器の稼働管理も遠隔で実施。AIとIoTによる故障診断技術などを活用し、冷蔵ショーケースなどの設備情報を24時間自動収集して、安定稼働を支援する。
さらに、商品の発注業務にもAIを取り入れる。販売実績や天候などのデータを基に、AIが需要を予測し、推奨の発注数を提案する。
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