Amazon Web Services(AWS)は、「MongoDB」ワークロード対応の「Amazon DocumentDB(with MongoDB compatibility)」の提供を開始した。高速かつスケーラブルで可用性の高いフルマネージドのドキュメントデータベースサービスだという。
Amazon Web Services(AWS)は2019年1月9日(米国時間)、オープンソースのドキュメント指向データベース「MongoDB」のワークロードをサポートする「Amazon DocumentDB(with MongoDB compatibility)」を発表した。
高速かつスケーラブルで可用性の高いフルマネージドのドキュメントデータベースサービスだという。
開発者は、MongoDBで現在使っているのと同じアプリケーションコードや、ドライバ、ツールを使って、Amazon DocumentDBでワークロードを実行、管理でき、スケールも可能だ。インフラの管理を気にすることなく、高いパフォーマンスとスケーラビリティ、可用性を確保できるという。
Amazon DocumentDBに移行するには、「AWS Database Migration Service(DMS)」を使えばよい。オンプレミスか、「Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)」でMongoDBデータベースを使用している場合、ほぼダウンタイムなしで移行できるという。
Amazon DocumentDBは、使用容量に応じて料金を支払う従量課金制で、初期費用は不要だ。顧客はMongoDBデータベースの運用コストを節約できる。運用を1インスタンスから開始でき、高可用性(HA)構成を望むならさらに1インスタンスを追加するだけでよいからだ。
今回のサービスを導入した理由についてAWSは次のように説明している。
「現在、MongoDBをAWSで使っている顧客は、MongoDB APIのごく一部の機能しか利用していないことが多い。また、MongoDBクラスタのセットアップと管理が複雑なことから、パフォーマンス、可用性、スケーラビリティが高いアプリケーションの構築に苦労している」
Amazon DocumentDBは、顧客がミッションクリティカルなMongoDBワークロードを大規模に運用する場合に必要となるパフォーマンス、スケーラビリティ、可用性を提供するように一から設計されているという。
MongoDBクライアントがMongoDBサーバに期待する応答をエミュレートすることで、Amazon DocumentDBは、Apache 2.0オープンソースライセンスを採用しているMongoDB 3.6 APIを実装した。このような仕組みを採用したことで、顧客は既存のMongoDBドライバとツールをAmazon DocumentDBでも使用できる。
スケール可能な設計とするために、Amazon DocumentDBは、フォールトトレラントな自己修復型のユニークな分散ストレージシステムを採用した。このストレージシステムは、クラスタ当たり最大64TBのデータ容量まで自動的にスケールする。このため、顧客はストレージインフラのキャパシティープランニングやオーバープロビジョニングを気にする必要がなく、時間や費用を節約できる。
さらに、データベースの変更のみをストレージレイヤーに書き込むことでデータベースI/Oを減らし、ネットワーク回線を介したデータレプリケーションが低速、非効率、高コストにならないようにした。
AWSによると、高度なクエリ処理に加え、接続プーリングや最適なリカバリーと再構築といった最適化により、Amazon DocumentDBは、現在提供されているMongoDBソリューションの2倍のスループットを実現しているという。
Amazon DocumentDBのアーキテクチャでは、ストレージとコンピュートが分離されているため、それぞれが独立してスケールされる。開発者はデータ規模にかかわらず、低レイテンシのリードレプリカを追加することで、リードキャパシティーを数百万リクエスト/秒に高めることができる。リードレプリカの最大追加数は15。
可用性も高い。AWSのマルチアベイラビリティゾーン(AZ)技術を使い、顧客データから6つのコピーを作り、3つのAWS AZにレプリケートすることで、99.99%の可用性を実現するように設計されている。
今回提供を開始したリージョンは米国東部(バージニア北部)、米国東部(オハイオ)、米国西部(オレゴン)、欧州(アイルランド)。使用できるリージョンを今後1年間に順次追加するという。
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