【 lsusb 】コマンド――USBデバイスの一覧と詳細情報を表示するLinux基本コマンドTips(273)

本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、USBデバイスの一覧と詳細情報を表示する「lsusb」コマンドです。

» 2019年01月17日 05時00分 公開
[西村めぐみ@IT]
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 本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、USBデバイスの一覧と詳細情報を表示する「lsusb」コマンドです。

lsusbコマンドとは?

 「lsusb」はUSBデバイスの情報を表示するコマンドです。接続されているUSBデバイスを一覧表示できる他、詳細情報を表示可能です。



lsusbコマンドの書式

lsusb [オプション]

※[ ]は省略可能な引数を示しています。





lsusbの主なオプション

短いオプション 長いオプション 意味
-s バス番号:デバイス番号 表示対象のバスとデバイスを10進数で指定する(どちらか片方の指定も可能:本文を参照
-d ベンダーID:プロダクト番号 表示対象のベンダーとプロダクトを16進数で指定する(ベンダーのみの指定も可能:本文を参照
-v --verbose 詳細情報を表示する
-t --tree USBデバイスをツリーで表示する(「-v」や「-D」より優先される)
-D デバイスディレクトリ 「-D /dev/bus/usb/001/001」のように、/dev/bus/usb下のディレクトリを指定して表示する(「-v」同様の詳細表示となる、※1)

※1 USBデバイスは「/dev/bus/usb/バス番号/デバイス番号」で管理されている。「-D」オプションを指定しない場合、lsusbコマンドは/dev/bus/usb/以下を走査して一覧表示する。





USBデバイスを一覧表示する

 「lsusb」で、現在接続されているUSBデバイスを一覧表示します(画面1)。バス番号とデバイス番号に続けて、ベンダーIDとプロダクト番号、ベンダー名を表示します。ベンダー名は「/usr/share/hwdata/usb.ids」ファイルの情報に従います(※2)。

※2 Ubuntu 18.04.1 LTSに含まれるlsusbコマンドでは、/var/lib/usbutils/usb.idsファイルを参照する。



 「-t」オプションを付けると、バスとデバイスをツリー構造で表示します。このとき、最大データ転送速度などの情報も併せて表示します。

コマンド実行例

lsusb

(USBデバイスを一覧表示する)(画面1

lsusb -t

(USBデバイスをツリー表示する)(画面1


画面1 画面1 USBデバイスを一覧表示したところ


バス番号やベンダー名を指定して表示する

 バス番号とデバイス番号を指定して表示したい場合は「-s」オプションを使用します。それぞれ10進数で、「-s バス番号:デバイス番号」のように指定します(画面2)。

 バスだけを指定したい場合は「-s バス番号:」、デバイスだけを指定したい場合は「-s デバイス番号」とします。

コマンド実行例

lsusb -s バス番号:デバイス番号

(バス番号とデバイス番号を指定して表示する)

lsusb -s バス番号:

(バス番号を指定して表示する)

lsusb -s デバイス番号

(デバイス番号を指定して表示する)


 ベンダーIDとプロダクト番号を指定したい場合は「-d」オプションを使用します。それぞれ16進数で、「-d ベンダーID:プロダクト番号」のように指定します。

 あるベンダーIDに当てはまるUSBデバイスだけを指定したい場合は「-d ベンダーID:」のようにします。なお、プロダクト番号のみの指定はできません。

コマンド実行例

lsusb -d ベンダーID:プロダクト番号

(ベンダーIDとプロダクト番号を指定して表示する)

lsusb -d ベンダーID:

(ベンダーIDを指定して表示する)


画面2 画面2 バス番号やベンダーIDを指定して表示したところ


より詳しい情報を表示する

 「-v」オプションを付けると、詳しい情報を表示します。「-s」や「-d」と同時に使用可能です(画面3)。

 一般ユーザーでも使用できますが、全ての情報を表示するにはroot権限が必要です(画面4)。sudoコマンド(第68回)などを利用してください。

コマンド実行例

lsusb -v

(全てのUSBデバイスの詳細情報を表示する)

lsusb -d 1d6b: -v

(ベンダーID「1d6b」のデバイスの詳細情報を表示する)

lsusb -s 1:2 -v

(バス番号1、デバイス番号2のデバイスの詳細情報を表示する)(画面3


画面3 画面3 rootで実行した場合
画面4 画面4 一般ユーザーで実行した場合 この他、Device Statusなども表示されない


筆者紹介

西村 めぐみ(にしむら めぐみ)

PC-9801NからのDOSユーザー。PC-486DX時代にDOS版UNIX-like toolsを経てLinuxへ。1992年より生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『Accessではじめるデータベース超入門[改訂2版]』『macOSコマンド入門』など。2011年より、地方自治体の在宅就業支援事業にてPC基礎およびMicrosoft Office関連の教材作成およびeラーニング指導を担当。


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