サイトビジットは、司法予備試験向けにAIで予測した試験問題の的中率が60%だったと発表した。2020年1月に実施される大学入試センター試験に向けた未来問の開発も予定している。
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サイトビジットは2019年5月20日、AI TOKYO LABと共同開発した「未来問」が予測した司法予備試験問題の的中率が60%だったと発表した。
未来問は、AI(人工知能)を活用した試験問題の出題予測サービス。2019年5月19日実施の司法予備試験向けに予測した95問中、57問が的中したとしている。サイトビジットによると60%という的中率は、司法試験予備試験短答式試験の合格基準と同じ水準。同年4月29日に無料提供を開始し、試験当日までに司法試験予備試験受験者全体の22.6%に相当する2522人が利用したという。
実際に予測した問題のうち、的中した問題と実際に出題された問題の例は以下の通り。
未来問が予測した問題
「ア 判例の趣旨によれば、会社の行為は、商行為と推定され、これを争う者において、その行為がその会社の事業のためにするものでないことの主張立証責任を負う」
本試験問題
「1. 判例の趣旨によれば、会社の行為は商行為と推定され、これを争う者において当該行為が当該会社の事業のためにするものでないことの主張立証責任を負う」
過去に出題された本試験問題とサイトビジットの予備試験講座テキスト、論証集のデータ、Wikipediaの法律用語を教師データにして「文章分類エンジン」によって128カテゴリーに分類。その後、毎年度の出題傾向を学習した出題傾向予測エンジンを用いて問題を予測する仕組みだ。
今後は、2019年8月に実施される社労士試験や、同年10月の宅建士試験などにも未来問を提供する予定。2020年1月に実施される大学入試センター試験に向けた未来問の開発も予定しているという。
サイトビジットの代表取締役を務める鬼頭政人氏は、未来問の開発背景について「今の資格試験は『試験に受かること』の壁が高く、合格をゴールに勉強する形だ。しかし、本当に大切なのはその後の実務経験であるはず。未来問を使い、まずは試験に受かってスタートラインに立ち、少しでも早く実務に触れてほしいという思いから開発した。出題者側に対して『AIに追い付かれない試験問題を作ってほしい』というメッセージも込めている」と述べている。
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