シスコシステムズは2019年5月30日、「Wi-Fi 6(IEEE 802.11 ax)」に対応したWi-Fiアクセスポイント5機種と、「Cisco Catalyst 6000」シリーズの後継である「Cisco Catalyst 9600」を国内発表した。
シスコシステムズは2019年5月30日、「Wi-Fi 6(IEEE 802.11 ax)」に対応したWi-Fiアクセスポイント5機種と、キャンパスコアスイッチの新シリーズ「Cisco Catalyst 9600」を国内発表した。ほぼ全ての製品が提供開始済み。
シスコはキャンパスネットワーク製品群全体のリフレッシュを進めており、今回発表の製品によってこれが完結すると、同社執行役員(エンタープライズネットワーキング事業担当)の眞崎浩一氏は説明した。
Catalyst 9600シリーズは、「最も成功したイーサネットスイッチ」ともいわれる「Cisco Catalyst 6000シリーズ」(Cat6K)の後継であり、新製品発表のインパクトは大きい。これを含めて新Catalystの有線ネットワーク製品は同社開発の「UADP-ASIC」を共通に搭載し、OSも「IOS-XE」で統一されている。
一方、Wi-Fiネットワーク製品群は、AironetからCatalystへのブランド移行が進む。シスコは、有線/無線を統合した新たなCatalystシリーズにより、「インテントベースネットワーキング」などの言葉で同社が表現する機能高度化や自動化、統合性を推進するという。
なお、クラウド管理型のネットワーク製品シリーズである「Cisco Meraki」については、Catalystシリーズと別の開発体制が維持されているものの、中核的な技術については共有が進展し、統合的な利用も進んでいるという。例えば、Merakiは既にDNA Centerから運用できるようになっている。
「(MerakiとCatalystは、ターゲットとする顧客層の違いがあるため)両方のブランドを継続していく。一方Catalyst側では、Merakiを包括する形で機能の進化を進めていく」(眞崎氏)
Wi-Fiの新製品は「Cisco Catalyst 9100シリーズ」と「Cisco Meraki MR」の計5機種。いずれも現在IEEEで標準策定が進められているWi-Fi 6への対応をうたう。Wi-Fi 6は、「OFDMA(直交波周波数分割多元接続)」「MU-MIMO(マルチユーザー多入力/多出力)」「送信ビームフォーミング」「1024-QAM(1024直角位相振幅変調)」といった機能を通じ、速度と同時アクセス数の向上を目指している。
Catalyst 9100シリーズ3機種で最上位の「Cisco Catalyst 9120」は、医療機関などを含むミッションクリティカル用途に向けた製品。「Cisco RF ASIC」という専用ASICに、RF情報の可視化/リアルタイム分析や、瞬時の周波数切り替えなどの機能を搭載していくという。
Catalyst 9600は「ワイヤレスファースト」を考慮した設計になっているという。アクセスレイヤーで高速Wi-Fi通信が広がると、Wi-Fiアクセスポイントとアクセスポイント間では「mGig」規格などの利用が広がり、コアスイッチにも高帯域の接続が求められる。このため、今回登場のモデルは8Uで、25.6Tbpsの総スイッチ容量を備えているとしている。
セキュリティ関連機能にも力を入れており、暗号化トラフィックを分析できる「ETA(Encrypted Traffic Analysis)」機能や、「MACsec」というMACレイヤーでの暗号化機能を搭載する。
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