統計処理言語「R」の最新版が公開、次期「R 4.0.0」版の主な新機能も明らかに「R 4.0.0」は参照カウントシステムを導入

Microsoftは、オープンソースの統計処理言語の最新版「R 3.6.2」の公開と、次期メジャーバージョン「R 4.0.0」の主な新機能について、同社のRコミュニティーブログで紹介した。

» 2019年12月18日 08時00分 公開
[@IT]

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 Microsoftは2019年12月13日(米国時間)、プログラミング言語「R」の最新版「R 3.6.2」について同社のRコミュニティーブログで紹介した。Rは、統計処理と処理結果のグラフィックス表示に向いたオープンソースの言語。併せて次期メジャーバージョン「R 4.0.0」の主な新機能についても触れた。

 R 3.6.2は、既存リリースに小規模な改良を加えたマイナーリリース。WindowsやmacOS、Linuxで利用できる。

 主な改良点は、ドットチャートに新しいオプションを加えたことや、グラフをスムーズにするためにメディアン法を使用する際に課題となる欠損値の処理を改善したことなどだ。加えて、幾つかのバグを修正し、処理性能を改善した。

 一方、R 4.0.0では大きな変更が加わる予定だ。Rは、安定したβ版が公開されてから、2020年2月29日に20周年を迎える。それから間もなく、R 4.0.0がリリースされる見込みだ。Rの開発者であるR CoreチームはR 4.0.0の一部の新機能を予告している。概要は次の通り。

参照カウントシステムを改良

 Rでオブジェクトを削除すると、通常、関連するメモリを解放する。同様に、「y <- x」でオブジェクトをコピーすると、xを後に変更するまで、Rはyに新しいメモリを割り当てることはしない。

 Rの現行バージョンでは、メモリブロックへの参照数が2を超えると、システムがダウンする。だが、R 4.0.0からは、全ての参照をカウントするように変える。これにより、Rはメモリをいくらでも再利用できるようになり、全体としてメモリ使用量が減少する。

 このように変更しても、Rコードの記述方法には影響しない。その一方で、メモリが少ないシステムや、ストレージが低速なシステムでは、速度が顕著に向上する。

行列と配列型を正規化

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