Azure仮想ネットワークの新しいNAT機能、「NATゲートウェイ(NAT Gateway)」が一般提供になりました。NATゲートウェイは、Azure仮想ネットワークのサブネットからインターネットへの送信方向の接続に対して、NAT(ネットワークアドレス変換)機能を提供します。
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2020年3月13日(米国時間)、「Azure仮想ネットワーク(Azure Virtual Network)」の新しいNAT機能、「NATゲートウェイ(NAT Gateway)」が一般提供になりました。
NATゲートウェイは、2020年2月中旬からパブリックプレビューが開始され、その約1カ月後に一般提供となった新しいサービスであり、Azure仮想ネットワークのサブネットからインターネットへの送信方向の接続に対して、NAT(ネットワークアドレス変換)機能を提供します。
NATゲートウェイのパブリックプレビューが開始されるまで、「Azureリソースマネージャー(ARM)」のデプロイメントでは、NATを構成する方法はありませんでした。言い換えると、Azure仮想ネットワークにおいてNAT機能は“暗黙的に有効”であり、以下の表1に示す3つのシナリオのいずれかの方法を用いて、インターネットアクセスが実現されていました。
シナリオ | ロードバランサーまたはパブリックIPのSKU | NATの方式 | 対応プロトコル |
---|---|---|---|
インスタンスレベルのパブリックIPアドレスを含む仮想マシン(ロードバランサーあり、またはなし) | Standard、Basic | SNAT(ポートマスカレードは不使用) | TCP、UDP、ICMP、ESP |
仮想マシンに関連付けられたパブリックロードバランサー | Standard、Basic | ロードバランサーのフロントエンドを使用したポートマスカレードによるSNAT | TCP、UDP |
スタンドアロン仮想マシン(ロードバランサーなし、パブリックIPなし) | なし、またはBasic | ポートマスカレードによるSNAT | TCP、UDP |
表1 これまでのAzure仮想ネットワークのNAT機能 |
しかし、この機能にはスケールに上限があり、エフェメラル(短命な)ポートが(一般的な動的な送信元ポート)やポートマスカレード(PAT)のためのポートが枯渇する(シナリオ2およびシナリオ3)、送信元のパブリックIPアドレスが固定されない(シナリオ3)などの問題が生じることがありました。
上記の表1に示したシナリオとNAT機能の仕様の詳細については、以下のMicrosoft Azure公式ドキュメントで説明されています。
新たに利用可能になったNATゲートウェイは、仮想マシンに直接関連付けられたインスタンスレベルのパブリックIPアドレスや、ロードバランサーがなくても、NATゲートウェイを介したアウトバウンド接続(送信方向、Azure仮想ネットワークからインターネットへの接続)を可能にします。
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