DataRobotは2019年12月にスタートアップ企業のPaxataを買収し、同名製品を、今回自社製品として提供開始した。
「データサイエンティストでなくても、グラフィカルインタフェース(GUI)を通じてデータ準備ができる」というのが特徴。データのクレンジングや項目間の関連付けなどに関しては、自動的に候補を示すなどで作業を支援する。
DataRobotチーフデータサイエンティストのシバタアキラ氏によると、名寄せや表記ゆれの統一などで、特に効果を発揮するという。
PaxataとDataRobotの現時点での統合は、「Paxataで準備したデータをDataRobotへ簡単に送ってモデリングを始める」「DataRobot上のデータをPaxataへ容易に取り込んでデータ準備を始める」「DataRobotから予測結果を容易に取得して、Paxata内で準備するデータの一部として使える」といったレベル。今後はPaxata、DataRobotの区別を意識せずにデータ準備からAI作成を行えるようにするという。
なお、PaxataはDataRobotへ完全に吸収されるわけではなく、単体としての提供も続けられる。
一方、DataRobotは2019年に投入したML Opsについても、機能を強化した新バージョン、6.0をリリースした。
ML Opsでは、モデルのデプロイ作業を容易にするのに加え、モデル実行におけるエラーや処理性能の監視、予測精度の監視、モデルのアクセス権限管理や管理責任の明確化といった意味でのガバナンス管理、多様なモデルの一元管理といった機能を果たすことを目指している。
ML Ops 6.0における主な強化点は、あらゆるモデルを対象とした「モデルレジストリ」機能。DataRobot以外で構築されたものを含め、企業全体でモデルを集中管理し、モデルのデプロイや置き換え、管理が行えるようにしたという。
モデル構築後のフェーズでは、既述のAIアプリケーションのように、ビジネスユーザーによる業務活用を支援する機能もある。
このように、DataRobotはビジネスユーザーに焦点を当てた機械学習/AIの統合プラットフォーム化を進めている。
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