GitHubは2020年5月6日(米国時間)、オンライン開催した同社イベント「GitHub Satellite 2020」で、クラウドホスト型の開発環境「GitHub Codespaces」やディスカッションフォーラム機能「GitHub Discussions」、セキュリティ関連機能の拡充などを発表した。
GitHubは2020年5月6日(米国時間)、オンライン開催した同社イベント「GitHub Satellite 2020」で、クラウドホスト型の開発環境「GitHub Codespaces」やディスカッションフォーラム機能「GitHub Discussions」、セキュリティ関連機能の拡充などを発表した。
「オープンソースプロジェクトにコントリビューションをする際の現実的な障壁に、プロジェクトのための開発環境の構築の複雑さや、プロジェクト間の開発環境のコンフリクトがある」とGitHub CEOのナット・フリードマン氏は話し、これを解決するためとしてクラウドホスト型の開発環境「GitHub Codespaces」を発表した。限定パブリックβ版として提供を開始したという。
Codespacesは、GitHubのクラウド上に、秒単位の時間で自動的に起動されるコンテナベースの開発環境。コードや依存関係、開発者ツール、拡張機能、dotfilesの組み込みを設定できる。コードエディタ「Visual Studio Code(VS Code)」も拡張機能を全てサポートする形で起動し、Webブラウザで利用できる(VS Code以外のエディタを利用することもできるようになる)。GitHubから直接リポジトリを開き、コーディングからビルド、テスト、デプロイまでをWebブラウザで実行できるという。
「Codespacesを使えば、プロジェクトのための開発作業を、ワンクリックで始められる」(フリードマン氏)
Codespaces はβ期間中無料で使える。正式提供開始時の料金は未定だが、ビルドなどではITリソースの利用量に応じた課金を検討しているという。コードエディタ機能は、正式提供開始後も無償で使えるとしている。
GitHubはまた、ディスカッションフォーラム機能の「GitHub Discussions」を発表した。
Discussionsは、プロジェクトリポジトリ内で使えるスレッド形式のオンラインディスカッション機能。Issueのようにクローズする必要のないアイデア共有や議論、FAQ作成などの用途に使える。Discussions 内のスレッドにおける質問には、回答済みのマークを付けることができ、自然にナレッジベースを構築できるという。その上で、Issueとの相互変換も可能という。また、Discussionsでは、ディスカッションへの貢献が、コントリビューショングラフに示される。
既に約60のオープンソースプロジェクトが、この機能をプライベートβとして利用中。パブリックリポジトリ向けに、間もなくオープンβ版の提供を開始するという。
GitHubはさらに、コードスキャニングおよびシークレットスキャニングに関する新たな発表を行った。
まず、既存機能のコードスキャニングでは、GitHubへの統合度が高まった。コードスキャンを有効にすると、全てのgit pushについてセキュリティ脆弱性のスキャンが実行され、結果がプルリクエストに直接表示される。この新機能はβ段階にある。また、オープンソースプロジェクトは、コードスキャニング機能自体を無料で利用できるようになっている。
一方、シークレットスキャニング(旧トークンスキャニング)は、プライベートリポジトリ向けの一般提供が始まった。
企業向けの「Enterprise」プランでは、「GitHub Enterprise Server」「GitHub Enterprise Cloud」に、新たな選択肢として「GitHub Private Instances」を今後追加する計画という。クラウドでマネージドサービスとして提供されるものの、分離性は高く、自動バックアップ/アーカイブ、企業独自の鍵を使った暗号化、プライベート接続などを特徴とする。データ主権を考慮し、データの所在地に制限をかけられるという。
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