レッドハット、OpenShiftの進化と日本市場における取り組みを説明OpenShift 4.4の新機能とは(1/2 ページ)

レッドハットは2020年5月19日、日本の報道関係者やアナリストに向けて、2020年4月末の「Red Hat Summit 2020」における発表内容や日本市場での取り組みについて説明した。本記事ではOpenShift 4.4の新機能についても取り上げる。

» 2020年05月19日 15時10分 公開
[三木泉@IT]

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 Red Hatは2020年4月末に開催したRed Hat Summit 2020で、「Red Hat OpenShift Container Platform(OpenShift)」の最新版を発表した。同社のクラウドプラットフォーム部門 製品担当バイスプレジデント、ジョー・フェルナンデス氏は2020年5月19日、日本の報道関係者向け説明会で、OpenShiftの進化について説明した。

 OpenShift 4.4は、2019年12月にリリースされたKubernetes 1.17をベースとしたOpenShiftの最新版。フェルナンデス氏は「OpenShift Serverless」や「OpenShift Pipeline」などの新機能を説明(OpenShiftの新機能については後述する)。また、今後提供を予定する、「OpenShift Virtualization」(コンテナに加えて仮想マシンをKubernetesで管理する機能、2020年後半に一般提供開始を予定)、「Advanced Cluster Management for Kubernetes」(パブリッククラウドのマネージドサービスなどを含む多様なKubernetesクラスタを統合的に管理、2020年夏に一般提供開始を予定)の2つの機能を特に強調した。

アプリケーションの開発・デプロイの選択肢を広げる

 OpenShiftでは、クラウドにおけるマネージドサービスが広がっている。オンデマンドで利用できる従量課金制のサービスとしては、既に提供されているIBM Cloud上の「Red Hat OpenShift on IBM Cloud」、Microsoft Azure上の「Azure Red Hat OpenShift」に続き、2020年5月14日にはAmazon Web Services(AWS)と共同での「Amazon Red Hat OpenShift」の早期アクセス版提供開始が発表された。また、専用環境としてのOpenShift構築・運用サービス「OpenShift Dedicated」は、AWS、Google Cloud Platformで提供されている。

 レッドハット製品統括・事業戦略担当本部長の岡下浩明氏は、国内パートナーによるサービスの例として、金融業界に向けたNTTデータの「OpenCanvas/DENTRANS」を挙げ、業界特化型を含めたOpenShiftマネージドサービスの選択肢を今後も広げていきたいと話した。

 岡下氏はまた、日本国内における販売戦略で、「Red Hat CodeReady Workspaces」をはじめとした開発支援機能やOpenShift Serverless、ミドルウェアなどを通じ、クラウドネイティブな開発/移行を推進していくと話した。特に注力する業界は、通信/5G、金融、公共サービス、教育、ヘルスケアだという。

日本市場における施策

 パートナー支援については、「OpenShift Managed Partner」7社に対するSRE(Site Reliability Engineer)育成トレーニングの強化、より広いパートナー向けのDevOps人材育成支援、国内コンテナISV(独立ソフトウェアベンダー)の拡大を挙げている。

OpenShift 4.4における新機能

 OpenShift 4.4ではKnative Servingに基づく「OpenShift Serverless」機能の一般提供が開始(GA)となり、サーバレス機能が強化された。Eventingについては技術プレビュー段階に達したという。また、Cloud Native Buildpacks、Buildah、Source 2 Imageなどのツールを使ってアプリケーションコードからコンテナイメージを作成できる「OpenShift Builds」機能は開発者プレビューが始まった。TektonをベースとしたCI/CD機能の「OpenShift Pipeline」は、技術プレビュー段階になった。

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