Microsoftは2020年5月20日(米国時間)、年次イベント「Microsoft Build 2020」で、ハイブリッド/マルチクラウドKubernetes管理機能、「Azure Arc enabled Kubernetes」のプレビュー版を提供開始したと発表した。
Microsoftは2020年5月20日(米国時間)、年次イベント「Microsoft Build 2020」で、ハイブリッド/マルチクラウドKubernetes管理機能、「Azure Arc enabled Kubernetes」のプレビュー版を提供開始したと発表した。ハイブリッド/マルチクラウド統合管理サービスである「Azure Arc」(プレビュー提供中)の一機能として提供される。
「誰でも、Azure Arcを使って、顧客のデータセンター、エッジロケーション、マルチクラウドのあらゆるKubernetesクラスタに接続し、構成ができる」と、発表ブログポストは説明している。
Azure Arc enabled Kubernetesでは、Azureデータセンター以外の場所で稼働する既存・新規のKubernetesクラスタにエージェントを導入することで、Azure Arcに接続できる。その後はAzure Arcのポータルから、「Azure Policy」「Azure Monitor」「Azure Resource Graph」などを活用して、これらのKubernetesクラスタを構成/監視/管理できる。
新機能でMicrosoftがまず強調するのは、開発者にとってのメリット。
「既存の DevOps パイプライン、Kubernetes マニフェスト、Helmチャートを利用し、接続した任意のクラスタに対してスケールする形で(アプリケーションを)デプロイできる。Azure Arc enabled Kubernetesは GitOps の方法論を採用しており、顧客はソース管理でアプリケーションとクラスタ構成を定義できる。このため、アプリや構成への変更はバージョン管理され、確実に適用され、任意の数のクラスタにまたがるログが記録されることになる」
管理面では、分散して稼働する多数のKubernetesクラスタを対象として、インベントリ管理、構成管理、ロールベースアクセス管理(RBAC)などのポリシー管理、統合的なアイデンティティ管理、構成やインフラ設定のテンプレート化などができるという。
DevOpsを推進しながら、各種の担当部署/チーム間での明確な責任分離が図れることを、ブログポストは強調している。
Azure Arcは、サーバからアプリケーションまで、多様なリソースの統合管理が図れる。MicrosoftはAzure Arc enabled Kubernetesの、他のリソース管理機能との統合度を高めていくという。
MicrosoftはAzure Arc enabled Kubernetesパートナーとして、Red Hat、Canonical、Rancherを挙げている。
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