MicrosoftとSASが広範な提携、両社の製品間の統合を推進SASのコンテナ環境製品SAS Viyaで本格化

MicrosoftとSASがアナリティクス/AIに関する広範な提携を発表した。SASは自社の製品群をAzureへ移行する。また、SASとMicrosoftは両社の製品群を密接に連携させ、業界特化型のソリューションを構築する。マーケティングおよび販売の活動は共同で行うという。

» 2020年06月17日 07時11分 公開
[三木泉@IT]

 MicrosoftとSASは2020年6月15日(米国時間)、アナリティクス/AIに関する広範な提携を発表した。

 SASは、自社製品のサービスとしての提供における「優先クラウド事業者(preferred cloud provider)」としてMicrosoft Azureを位置付け、これら製品群を段階的にAzureへ移行する。また、SASとMicrosoftは両社の製品群を密接に連携させ、業界特化型のソリューションを構築する。さらに両社は、マーケティングおよび販売の活動を共同で行うという。

SASのCEO兼CTOであるオリバー・シャーベンバーガー氏(左)と、Microsoftのクラウド&AI担当シニアバイスプレジデント、スコット・ガスリー氏(右)

 SASは金融、製薬、流通といった業界を中心に、多数の大規模顧客を持つ。不正金融取引検知など、特定の課題を解決するアプリケーションにも力を入れてきた。一方、過去数年のアナリティクス/機械学習/AI市場の変化を受け、Pythonなどの言語が使える、よりオープンなコンテナベースの基盤として「SAS Viya」を開発、自社ツール/製品の移植を進めてきた。

 今回の提携の一環として、まずSASはこの戦略製品であるSAS Viyaで、Azureとの親和性を高める取り組みを進める。同社が開発中のSAS Viya 4.0は、まずAzure上で2020年9月にリリースする予定だという。

 SASのバーチャルイベント「SAS Global Forum 2020」に登場したMicrosoftのクラウド&AI担当シニアバイスプレジデント、スコット・ガスリー(Scott Guthrie)氏は、SASのCEO(最高経営責任者)兼CTO(最高技術責任者)であるオリバー・シャーベンバーガー(Oliver Shabenberger)氏と共に、SAS ViyaがAzureの「Azure Synapse Analytics」や「Power BI」と円滑に連動するデモを見せた。

 ガスリー氏は、「2社はSASのソリューションをAzureに持ってこようとしているだけではない。さらに深い協業を通じ、業界に特化したモデルをはじめとしたSASのアナリティクス機能を、Azureや『Dynamics 360』からネイティブに使えるようにしていく。また、両社の共通顧客に向け、2社の製品を高度に統合した業界特化型ソリューションを、複数の産業に向けて提供していく」と話した。

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