レッドハットの望月弘一社長は、2020年6月23日にオンライン開催した新年度戦略説明会で、OpenShiftに時間を割き、重点施策を説明した。当面競合となるのは、2020年に入ってコンテナ戦略を強化したヴイエムウェアだ。
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「(コンテナ基盤では、)他社に比べ、1歩も2歩も3歩も先を行っている。新年度は他社との完全な差別化を図る」。レッドハットの望月弘一社長は、2020年6月23日にオンライン開催した新年度戦略説明会でこう話した。「他社」の具体的な社名は挙げていないが、2020年に入ってコンテナへの取り組みを強化したヴイエムウェアであることは明らかだ。
望月氏はまず、これまでの実績を強調した。
日本における「Red Hat OpenShift Container Platform(以下、OpenShift)」のビジネスは2020年度(Red Hatの会計年度は3月初めから翌年2月末まで)、「対前年度比で3倍以上、顧客数は3桁」(望月氏)に達したという。顧客数だけでなく、用途が広がっていることを、望月氏は強調した。
「半数の顧客がOpenShiftとミドルウェアを組み合わせており、これによってDevOpsを回すユーザーや、メインフレームのモダナイゼーションを図る国内企業が非常に増えている。コンテナというテクノロジーが、企業アプリケーションにそれだけ浸透してきている証」という。
レッドハットは2020年度、パートナーを通じたOpenShiftのマネージドサービスを強化した。NEC、富士通、日立製作所をはじめ、伊藤忠テクノソリューションズ、NTTコムウェア、NTTデータ、日本IBM、野村総合研究所などが、クラウドサービスとしてOpenShiftを提供しているが、2019年12月にはこれら8社と技術的な情報を共有し、共同マーケティングを行うプログラム「OpenShift Managed Practise Program」を発足した。
今回の事業戦略説明会では、アクセンチュア、NTTデータ、野村総合研究所が、レッドハットとの協業を説明した。アクセンチュアは同社が顧客のデジタルトランスフォーメーション基盤として展開してきた「Accenture Connected Technology Solution(ACTS)」をOpenShift上に移行した。これにより、オンプレミスとクラウドの違いを吸収しながら、同ソリューションを活用できるという。さらにOpenShiftをマネージドサービスとして使える「Microsoft Azure Red Hat OpenShift」上でのACTSの提供を実現した。そしてメインフレームアプリケーションをJava変換するアプリケーション近代化ソリューション「Accenture Application Modernization&Optimization(AMO)」とACTSを結ぶ共通基盤としてのOpenShiftの利用を、間もなく正式発表するという。
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