Microsoftは、コマンドラインで使用するファイル復元ツール「Windows File Recovery」を提供開始した。
Microsoftは、コマンドラインで使用するファイル復元ツール「Windows File Recovery」をMicrosoft Storeで提供開始した。
Windows File Recoveryは、うっかり削除したファイルや破損したデータなどの復元を支援する。「Windows 10 バージョン2004(May 2020 Update)」以降に対応しており、JPEG、PDF、PNG、MPEG、Microsoft Officeファイル、MP3、MP4、ZIPなど、さまざまなフォーマットのファイルの復元に利用できる。
HDD、SSD、USBメモリ、メモリカードから復元でき、ファイルシステムはNTFS、FAT、exFAT、ReFSをサポートしている。
Windows File Recoveryを使うには、管理者権限でコマンドプロンプトを起動し、コマンドを次のフォーマットで入力する。
winfr [復元元ドライブ]: [復元先ドライブ]: [/switches]
復元元ドライブと復元先ドライブは異なっている必要がある。OSドライブ(大抵は「C:」)から復元する場合、「/n <filter>」および「/y:<type(s)>」スイッチを使って、ユーザーファイルやフォルダを指定する。
Windows File Recoveryは復元先ドライブに、「Recovery_<date and time>」という復元フォルダを自動的に作成する。
ファイルの復元には、「デフォルト」「セグメント」「シグネチャ」という3つのモードを利用できる。セグメントモードは、「ファイルレコードセグメント(FRS)」をチェックし、シグネチャモードは、NTFS以外のファイルシステムからの復元もサポートする。
Microsoftは、次の表を参考にして「どのモードを使うか」を決めるよう勧めている。
ファイルシステム | 状況 | 推奨モード | |
---|---|---|---|
NTFS | 最近削除した | デフォルト | |
しばらく前に削除した | まずセグメントを、次にシグネチャを試す | ||
ディスクをフォーマットした後 | |||
破損したディスク | |||
FAT、exFAT、ReFS | 復元するファイルタイプがサポートされている(*) | シグネチャ | |
*シグネチャモードはASF、JPEG、MP3、MPEG、PDF、PNG、ZIPという拡張子グループをサポートしており、グループごとに一般的な拡張子のファイルタイプをサポートしている |
各モードの使用例を以下に示す。
特定のファイルをC:ドライブからE:ドライブの復元フォルダに復元する。
winfr C: E: /n \Users\<username>\Documents\QuarterlyStatement.docx
jpegおよびpng画像を[画像]フォルダからE:ドライブの復元フォルダに復元する。
winfr C: E: /n \Users\<username>\Pictures\*.JPEG /n \Users\<username>\Pictures\*.PNG
[ドキュメント]フォルダをC:ドライブからE:ドライブの復元フォルダに復元する。
winfr C: E: /n \Users\<username>\Documents\
なお、フォルダの末尾の[\]を忘れないようにする。
PDFおよびWordファイルをC:ドライブからE:ドライブの復元フォルダに復元する。
winfr C: E: /r /n *.pdf /n *.docx
ワイルドカード文字を使って、ファイル名に文字列[invoice]を含むファイルを復元する。
winfr C: E: /r /n *invoice*
シグネチャモードを使うときは、まず次のコマンドにより、サポートされている拡張子グループ、および対応するファイルタイプを確認しておくと、以降の作業に役立つ。
winfr /#
JPEG(jpg、jpeg、jpe、jif、jfif、jfi)およびPNG画像をC:ドライブからE:ドライブの復元フォルダに復元する。
winfr C: E: /x /y:JPEG,PNG
ZIPファイル(zip、docx、xlsx、pptxなど)をC:ドライブからE:ドライブの復元フォルダに復元する。
winfr C: E:\RecoveryTest /x /y:ZIP
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