ジュニパーがAI機能の「Mist」をWANにも拡張、「全ての構成要素がそろった」Wi-Fi 6は4機種を投入

ジュニパーネットワークスは、同社のAI機能「Mist」を無線LAN、有線LANに加え、WANに拡張した。これで機械学習/AIにより自律運用ネットワークを目指す同社の取り組みは、全ての構成要素がそろったことになるという。

» 2020年08月05日 18時40分 公開
[三木泉@IT]

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 ジュニパーネットワークス(以下、ジュニパー)は2020年8月4日、機械学習/AIを活用したネットワーク状況の可視化およびトラブルシューティング支援機能「Mist」をWANに適用した、「Juniper Mist WAN Assurance」を国内発表した。また、ネットワークにおけるトラブルの原因などを音声で問い合わせできる「Marvis」の対話型インタフェースも併せて発表した。

 ジュニパーはさらに、Wi-Fi 6対応の無線LANアクセスポイント新製品4機種、Mistの分析・可視化機能を活用してコンタクトトレーシングや顧客の動線分析が行える「Mist Premium Analytics」を紹介した。

 Mistは、Juniper Networks(以下、Juniper)が2019年に買収した無線LANベンダーMist Systemsが製品に組み込んでいたクラウド型の運用支援技術が原型。ネットワーク機器の状態監視だけでなく、ユーザーエクスペリエンスに着目して、トラブルの発生を、場合によっては事前に警告する。また、相関分析を通じた原因の推定およびワンクリックでの対策の適用を通じ、ユーザーからの不満が出る前に問題を解決することを目指している。Juniperはその後、無線LAN製品に加えて同技術を有線LAN製品に適用し、今回さらにWAN製品へと広げた。

今回の発表の骨子

 Juniperのエンタープライズ担当上級副社長、スジャイ・ハジェラ氏は、「これで(自社の提唱する『AIドリブンエンタープライズ』の)全構成要素が出そろった」と説明した。

 Mist WAN Assuranceでは、Juniperが現在、SD-WANルータとしても展開している「SRX」からのテレメトリー情報をMistに取り込むことにより、社内の無線LANアクセスポイントや有線LAN機器からの情報と合わせて、総体的な可視化およびトラブルの予防ができるという。

 「ルータの稼働状況ももちろんチェックできるが、ユーザーエクスペリエンスの確保ができるところに、一般的な管理ツールとの違いがある」(ハジェラ氏)。Mistでは、「接続にかかる時間」「スループット」「遅延」など多様な項目をモニターすることで、同社が「SLE(Service Level Expectation)」と呼ぶ指標をはじき出し、これが一定の値以下に低下した場合には、アクションにつながる警告を発行するようになっている。

Zoomの利用におけるユーザーエクスペリエンス低下の原因を、WANにまたがって自動分析

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